2019 Fiscal Year Research-status Report
末梢血由来iPS細胞の骨再生療法を目指した基礎的研究
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19K19176
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
加藤 宏 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (10755036)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 骨芽細胞 / 末梢血 |
Outline of Annual Research Achievements |
低侵襲な骨再生療法の開発観点から、健常人の末梢血血液細胞からiPS細胞を樹立し、それらを骨芽細胞誘導してその特性を検討した。 本年度は研究計画書・本学倫理申請書に従って、同意を頂いた32歳の健常人から末梢血を採取した。Ficollを用いて単核球を分離し、試薬を添加した血液培地を用いてT細胞を選択的に取得した。得られた細胞は、センダイウィルスベクターを用いて初期化遺伝子導入を行った。iPS細胞の評価として、未分化能マーカー・多分化能マーカーの発現を確認し、テラトーマ形成の確認を行った。その後に、骨芽細胞誘導法にて誘導を行い、骨芽細胞マーカーの発現、硬組織誘導能の評価を行った。線維芽細胞から樹立した場合とほぼ同様で、センダイウィルス感染後30日でヒトES細胞様コロニーの出現を多数確認した。樹立したiPS細胞はアルカリホスファターゼ染色にて陽性反応を示し、未分化マーカー・多分化マーカーがRT-PCR法にて検出された。また、テラトーマ形成により組織学的に外胚葉・中胚葉・内胚葉の3胚葉分化が観察され、多分化能を認めた。以上より、遺伝子挿入により得られた細胞はiPS細胞として相違ないと考えられた。 誘導骨芽細胞はReal Time PCR法により、タイプⅠコラーゲン、アルカリホスファターゼ、RUNX 2などの骨芽細胞マーカーの発現上昇を認めた。誘導30日後にはアリザリンレッド染色に陽性反応を示し、硬組織誘導能も示唆された。 次年度は実験動物に細胞移植を行うことで、生体内での硬組織誘能・有害事象等の検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通りiPS細胞の樹立と骨芽細胞分化までは遂行している。 誘導骨芽細胞への骨分化促進因子の検討がまだ完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究計画書に則って研究を遂行する。研究協力者として大学院生の協力を得ることで、研究促進を図ることとする。
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Causes of Carryover |
(理由)3月に発注しようと予定していた実験試薬が未発注であり繰り越し金額が生じてしまっている。 (使用計画)実験試薬を発注・納品され次第、初年度の未実施分の実験を予定している。 次年度の研究計画は予定通り行う運びとなっているため使用額の変更はない。
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