2020 Fiscal Year Research-status Report
パラメトリックエックス線、テラヘルツコヒーレント放射光を用いた悪性腫瘍の画像診断
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19K19179
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川島 雄介 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (30836200)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 悪性腫瘍 / テラヘルツコヒーレント放射光 / 赤外自由電子レーザー / パラメトリックエックス線 / 画像診断 / 悪性黒色腫 / 肝臓がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はパラメトリックエックス線、テラヘルツコヒーレント放射光を用いて悪性腫瘍の画像診断を行うことである。先般の実施状況報告書でも報告したが、パラメトリックエックス線を用いた悪性腫瘍の画像診断としてネコ下顎前歯部に発生した悪性黒色腫をホルマリンで固定されたものを用いた。回析強調イメージングの撮影に成功した。 回析強調イメージングで得られた画像と従来の口内法エックス線写真を比較したところ、コントラストなどが異なる画像を得ることができたことを報告した。この標本は病理組織標本を作成するため脱灰中であったが、脱灰は完了し、パラフィン包埋まで終了した。 次の段階としてパラフィン包埋したものをミクロトームという刃物で薄く切り出しを行い、いわゆる病理組織標本を作っていく。薄く切り出した標本をヘマトキシリンエオジン染色を行い口腔病理医に下顎前歯部のどの箇所に腫瘍が存在するのか、また腫瘍の下顎骨への浸潤も診断してもらう予定である。必要に応じて他の染色方法で標本を染色し、よりがん組織が観察しやすい染色も試してみることを検討している。このようにして回析強調イメージングで得られた画像および病理組織標本の比較を行う予定である。 実際の標本を口腔病理医と一緒に相談しながらどの角度で病理切片を切り出していくか、どの切片が最も腫瘍を観察しやすいかを決めていく方針である。 この比較を行うことで回析強調イメージングで悪性腫瘍の画像診断を行える可能性があることが示せると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ネコの下顎骨に発生した悪性黒色腫を脱灰処理していたが、パラフィン包埋したものが完成した。 次の行程としてミクロトームという刃物で薄く切り出しを行い、いわゆる病理組織標本を作っていく。 薄く切り出した標本をヘマトキシリンエオジン染色をはじめ、よりがん組織が観察しやすい染色も試してみることを検討している。 なお、テラヘルツコヒーレント放射光を用いた悪性腫瘍の画像診断はヒト肝臓がんを用いて撮影実験を行う予定である。しかしながら、コロナウイルス感染拡大の影響で日本大学理工学部船橋校舎まで行くことができずまだ十分な撮影実験を行えていない。今後のコロナウイルス感染の状況を鑑みて実験を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ネコの下顎骨に発生した悪性黒色腫を用いて回析強調イメージングの結果は放射線関連学会で発表を行う。 ヒト肝臓がんを用いたテラヘルツコヒーレント放射光の実験結果についても放射線関連学会で発表を行う。 いずれの実験結果も論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い首都圏に緊急事態宣言が何度も発令され、千葉県に所在する日本大学理工学部船橋校舎への実験のための出張ができなくなってしまった。そのため次年度使用額が生じてしまった。 今年度の使用計画は行った研究内容を論文投稿する際の英文校正費、学会発表のポスター印刷代、学会参加のための旅費、学会参加費への支出を予定している。
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