2019 Fiscal Year Research-status Report
骨質マーカーによる進行性下顎頭吸収発症リスク評価法の確立
Project/Area Number |
19K19190
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齋藤 大輔 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (50826261)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 顎変形症 / 骨質マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
進行性下顎頭骨吸収(PCR:Progressive Condylar Resorption)は比較的新しい疾患概念で、その発症メカニズムは不明な点も多く、臨床の場ではその対応に苦慮しているのが現状である。PCRの発症には、下顎頭部にかかる力学的負荷の量と負荷に対する骨の許容力(骨強度)が関与していると考えられる。骨強度は骨密度と骨質により規定されると定義されており、骨強度の低下は、骨密度と骨質の低下によって引き起こされる。近年、骨中コラーゲンの材質特性(コラーゲン架橋)が骨質に大きく影響し、酵素依存性架橋の低形成と、終末糖化残物(AGEs)の過剰な形成が骨強度を低下させることが明らかとなった。酵素依存性架橋とAGEsを反映する骨質マーカーとしては、血中ホモシステイン(HCY)ならびに血中・尿中ペントシジンの測定が有用と報告されている。研究参加の同意の得られた顎変形症患者を対象として①骨質マーカー(HCY,ペントシジン)の測定を行う。②CT画像データから3次元画像処理ソフトウェアを用いて下顎頭部の骨組織体積(TV: Tissue Volume)と骨体積(BV: Bone Volume)を算出し、BV/TV(Bone Volume Fraction)(%)から骨密度を算出する。 顎矯正手術前後の骨質マーカーの測定と下顎頭骨密度測定を行い、臨床症例を対象とした研究からPCR発症リスク因子とそのマーカーを明らかにできれば、PCRの発症リスクが高い顎変形症患者にその予防法を施行するオーダーメイド治療を行うことで術後の下顎頭骨吸収を防ぎ、顎変形症に対する外科的矯正治療の成績向上に寄与することができると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在採血による骨質マーカー測定のための倫理委員会承認待ちの状態であるため、承認後ただちに測定開始する予定である。またCTデータによる下顎頭の骨密度の測定のための再現性の検証を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理委員会が承認され、病院内のCOVID-19対策の手術制限が解除され次第、同意が得られた外科的矯正手術予定の患者を対象に骨質マーカー(HCY,ペントシジン)の測定を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
骨質マーカー測定の開始が遅れている為、分析費用が予定より少額となった。次年度分の分析費用に追加して使用予定である。
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