2020 Fiscal Year Research-status Report
ドーパミン神経系が口腔顔面領域の神経障害性疼痛の緩和に関与するメカニズムの解明
Project/Area Number |
19K19192
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前川 博治 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (10711012)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | A11細胞群 / ドーパミンD2受容体 / 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度と同様にラットの眼窩下神経(infraorbital nerve: ION)を結紮して、神経障害性疼痛モデル(ION-CCIラット)を作製した。視床下部A11細胞群にドーパミンD2受容体拮抗薬eticloprideを微量注入するため、ION-CCIラットの頭蓋に金属製カニューレを設置した。カニューレを設置した1週間後に、von Frey filamentを用いてラットの鼻毛部に機械刺激を加え、頭部の逃避反応を引き起こす閾値を測定した。A11細胞群にeticuloprideを微量注入した群では、quinpiroleを微量注入した群に比べ、投与20分後と40分後において有意な閾値の低下を認めた。また、同様にA11細胞群にeticloprideを微量注入した20分後に、ラットの鼻毛部にvon Frey filament(15g、1Hz、5分間)を用いて刺激を加え、その5分後に灌流固定した。三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)を含む脳幹部の凍結切片を作製し、phosphorylated extracellular signal-regulated kinase(pERK)に対する免疫組織学的染色を行い、Vc表層に発現したpERK免疫陽性細胞数を計測した。eticlopride投与群のVc表層に発現したpERK免疫陽性細胞数は、生食投与群、quinpirole投与群のVc表層に発現したpERK免疫陽性細胞数に対して有意に増加した。A11細胞群にドーパミンD2受容体拮抗薬を微量注入すると、眼窩下神経を結紮したラットの、機械刺激に対する過敏性を増悪させることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した実験を遂行し、結果を得ることができたので、おおむね順調に進展していると考えた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在研究計画を遂行する上で支障となる事象は生じていない。研究計画調書に記載した計画に則って来年度の研究を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
参加予定の学会がオンラインでの開催となったため、旅費の使用がなかった。次年度の消耗品、試薬等の購入に充てる予定である。
|