2020 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌の予後とMaspinの細胞質発現およびその役割
Project/Area Number |
19K19195
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川崎 誠 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (80816372)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | maspin / oral cancer / squamous cell carcinoma |
Outline of Annual Research Achievements |
maspin(mammary serine Protease inhibitor)は正常乳腺で発現し、乳癌培養細胞では発現が消失している腫瘍抑制遺伝子として発見された。培養細胞系や動物実験などでは核局在型maspinは癌抑制遺伝子とされているが、ヒト乳癌などのさまざまな組織で細胞質局在型maspinの発現は独立した予後不良因子であることが報告されている。本研究では、口腔癌の予後とmaspinの発現の関連性を明らかにし、質量分析によるmaspin核内輸送タンパクの探索を行うことにより、maspinが細胞質に局在化する機構の解明や細胞質局在型maspinが口腔癌の発生・進展に及ぼす影響を探索する。 これまで、鳥取大学医学部附属病院歯科口腔外科にて口腔扁平上皮癌に対し手術を行った患者を対象として、切除標本を免疫染色してMaspinの細胞内局在を調べ、病理学的因子・再発率・予後との関連性について検討した。対象患者は2005年1月~2015年12月までに口腔扁平上皮癌に対し根治手術が行われた80例で、口腔がんにおいてmaspinの細胞質局在がみられる場合有意に予後不良であったという結論を出した。しかしながらそのメカニズムは不明な点が多く、検討の余地がある。 in vitro研究として、HSC2,HSC3,HSC4,Ca9-22,SASの細胞株についてreal time PCRやwestern blotにてMaspinの発現を定量的に測定し、いずれの細胞株についても発現を確認した。また蛍光免疫染色でMaspinの細胞内局在を検討した。その結果をもとにsiRNAでMaspinの発現をknock downし、浸潤能について調査を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究結果が概ね揃い、論文作成に移る段階であるが元々の予定は2021年3月までであり、1年程度の延長を要する。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究結果をまとめ、関連学会の雑誌に論文として報告を予定している。 細胞と核に分類したうえでのWestern blotも検討しており行う予定にしている。 編集者に求められた場合追加実験について必要に応じ行う予定である。
|
Causes of Carryover |
元々の予定では2021年3月までの論文作成を予定していたが、研究の進行が遅れており、論文作成や追加実験のため次年度の使用額を必要とする。
|