2021 Fiscal Year Annual Research Report
Usefulness of Wnt5a and Ror2 as the biomarkers related to malignancy in oral squamous cell carcinoma
Project/Area Number |
19K19202
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂本 泰基 九州大学, 大学病院, 助教 (10805261)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / Wnt5a / Ror2 / Dkk-1 / Dkk-3 / 頸部リンパ節転移 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、口腔扁平上皮癌(OSCC)の転移プロセスへのWnt5a-Ror2シグナル経路の関与について検討を進め、Wnt5aおよびRor2をOSCCの診断・治療におけるバイオマーカーとして確立することを目的としている。 昨年度の研究において、Wnt5aおよびRor2が高発現しているOSCC細胞株であるSQUU-B細胞において、Wnt-βカテニン経路のアンタゴニストとして報告されているDkk-1およびDkk-3がほとんど発現していないことが認められたことから、OSCCにおいてDkk-1およびDkk-3がWnt5a-Ror2シグナル経路に関与している可能性が考えられた。そこで、本年度の研究ではOSCC生検組織におけるDkk-1およびDkk-3の発現を免疫組織化学的に検索を行った。その結果、Wnt5aおよびRor2と同様に、Dkk-1およびDkk-3ともに正常口腔粘膜上皮ではほとんど発現しておらず、OSCC組織の細胞質に強く発現していた。しかし、症例によって発現強度に差を認めたため、高発現群と低発現群に分けて臨床病理組織学的所見および予後について比較したところ、Dkk-1またはDkk-3の高発現群はそれぞれの低発現群と比較して、頸部リンパ節転移の発生頻度が有意に高いことが分かった。また、Wnt5aとDkk-1がともに高発現している群、そしてRor2とDkk-1がともに高発現している群は、それぞれの低発現群と比較して頸部リンパ節転移の発生頻度が有意に高く、疾患特異的累積5年生存率も有意に低く、予後不良であることが分かった。 この結果は、Wnt5a-Ror2シグナル経路によるOSCCの悪性度の進展にDkk-1が関与している可能性を示すと同時に、予後予測因子としても有用であることを示唆している。
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Research Products
(3 results)