2020 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌におけるtRNAチオメチル化修飾を標的とした機能解析と治療法の開発
Project/Area Number |
19K19204
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高橋 望 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (60779172)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | tRNA修飾 / 口腔扁平上皮癌 / SAS / 質量分析 / 抗癌剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌患者の臨床検体を用いて行った予備実験により、mt-tRANのms2修飾量とT分類、stage分類において統計学的に優位な正の相関を認めていた。口腔扁平上皮癌細胞株SASを用いて実験を行った。siRNAを用いてCDK5RAP1をノックダウンしたところmRNAは約25%まで低下し、それに伴いmt-tRNAのms2修飾が減少しているこ とが確認された。また、ミトコンドリアタンパクであるMTCO1の発現量が低下することがわかった。さらにWST assayを行い腫瘍の増殖能を調べたところ、増殖能の低下が認められた。また、過去に当科で樹立した5-FU耐性SASと親株SASを比較したところ、耐性株において約5倍程度mt-tRNAのms2修飾が増加していた。さらにミトコンドリアの呼吸鎖複合体タンパク質の低下、アポトーシスタンパクであるcaspase-3の増加を認めた。 以上の結果より、mt-tRNAのms2修飾は扁平上皮癌の悪性度、特に抗癌剤耐性に関与している可能性が示唆された。
|