2022 Fiscal Year Research-status Report
痛み受容体の遺伝子多型と癌性疼痛の性状の関連解析:診断・治療法の開発を目指して
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19K19218
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
吉住 潤子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (40596376)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | TRPV1 / SNP / 口腔がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は口腔がん患者の痛み受容のメカニズムをTRPチャネルのSNPに基づいて解明し、口腔内の痛みの診断法と治療法を見いだすことである。口腔は鋭敏な感覚を備えており、痛みの訴えは多様で繊細である。申請者らは舌痛症を対象としてTRPV1のSNPが発症頻度や病悩期間に影響することを明らかにしている。このTRPV1のSNPについて、必ずしも痛みとの相関が明らかではなかった。申請者らが、関連性を見いだす事ができたのは、口腔の感覚が敏感であること、舌へのカプサイシン刺激が感受性を反映しやすい実験系であったからだと考えている。がんの痛みという捉えにくい病態についても、臨床的評価が比較的容易である口腔がんを対象とすることで、痛み感受性TRPチャネル群の影響を見いだしやすいことが期待できる。 本研究では全てヒトサンプル(組織・DNA)を使用することとしており、さらに口腔粘膜という観察が容易な部位を対象とすることで臨床所見が正確に記録できることが特徴である。口腔がん患者から口腔粘膜擦過法により頬粘膜を擦過して採取した試料よりゲノムDNAを抽出し、SNPの一部は痛み症候との関連が報告されていることから口腔・三叉神経領域における差を期待している。当科にて加療を行なった口腔がん患者よりサンプルを採取し、これらのSNP解析を進めている。病理学的検査はすでに行なっており、現在遺伝学的解析と、臨床的予後の関連の解析を進めている、 これらの結果に基づき、がん治療前後の痛みの強さ・質・臨床所見とTRPチャネル遺伝子との関連を調べ、遺伝子多型別に痛み受容の性質に関連性があるか、また効果的な鎮痛の方法を関連付けられるかについて検討する。加えて、現在創薬が進められているTRPチェネル群のアゴニスト・アンタゴニストによる新たな鎮痛剤の使用を可能にするための基礎的データとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遺伝学的解析結果と臨床データの関連の解析を行う予定であるが、臨床的予後調査に時間を要するため。また、COVID-19感染拡大時期の受診控もあり、目標奨励数が集まらなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプルの採取は終了しているため、本学病理学教室とともに解析を進める。
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Causes of Carryover |
遺伝学的解析を進める。英文校正費および論文投稿費として使用する。
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