2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K19230
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩田 英治 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10832975)
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Project Period (FY) |
2021-03-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線性骨髄炎 / 低酸素状態 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線性骨髄炎は、頭頸部癌放射線治療における最も深刻な合併症である。発症すると難治性で、重篤な顎口腔機能障害や審美障害を余儀なくされる。しかし既存の治療法には合併症の報告が多く、未だ有効な治療法がない。最近の研究で、放射線照射による低酸素状態が関与していることが分かっており、“低酸素状態を改善する有効な治療法”が今求められている。われわれはこれまで“炭酸ガス療法”により組織の低酸素状態を改善させる研究を継続的に行ってきた。本研究の目的は“炭酸ガス療法”を放射線性骨髄炎に応用し、新たな治療法として確立することである。われわれが開発した局所的炭酸ガス投与は安価で局所に使用できるため効率的であり、新規治療法として確立されれば、顎骨だけでなく他部位の放射線性骨髄炎に対しても新たな治療戦略をもたらしうると考えている。まずはin vitroで、ヒト口腔線維芽細胞(HGF)を継代培養し、通常培養と低酸素培養を行い、酸素条件の違いによる線維化誘導因子の発現についてReal-time PCR法および免疫細胞染色で比較検討した。その結果、低酸素群でα-SMA,TGF-βの上昇を確認し、口腔線維芽細胞は低酸素状態で線維化が亢進されることが示唆された。同様にHGFは放射線照射によっても線量の増大とともに線維化が亢進することが示唆された。以上から口腔粘膜組織は放射線照射により低酸素状態が亢進し線維化につながる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は海外研究留学による研究中断を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究計画書に沿って研究を推進していくが、2021年度は約1年間研究を中断したため、2022年度の研究進捗状況によっては研究期間延長を検討したい。
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Causes of Carryover |
2021年度は海外研究留学による研究中断を行ったため。
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