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2023 Fiscal Year Annual Research Report

放射線性骨髄炎における新規治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 19K19230
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

岩田 英治  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10832975)

Project Period (FY) 2021-03-01 – 2024-03-31
Keywords放射線性骨髄炎 / 低酸素状態 / 線維化
Outline of Annual Research Achievements

まずはヒト口腔線維芽細胞(HGF)を継代し通常培養と低酸素培養、さらに放射線照射線量による違いを比較検討した。その結果、低酸素群でα-SMA, TGF-βの上昇を確認し、HGFは低酸素状態で筋線維芽細胞への形質転換、つまり線維化が亢進することが分かった。同様にHGFは放射線照射によっても線量の増大とともに線維化が亢進することも分かった。以上から放射線性骨髄炎の成因として、口腔粘膜組織は高線量の放射線照射を受けることで低酸素状態が亢進し線維化につながる可能性が示唆された。研究を進める中で、線維化が放射線性骨髄炎の病態に深く関与していることに強い関心を持った。そこで術後経過が調査可能であった下顎放射線性顎骨壊死患者において病変進行による病的骨折の発症リスク要因について後方視的検討を行った。その結果、重度歯周炎患者は放射線性顎骨壊死の発症リスクが高いだけでなく、感染の蓄積によって病的骨折を生じるリスクがあるという知見を得た。この研究結果をまとめた論文は査読付き英文雑誌であるScientific Reportsに掲載された。さらに線維化に関する知見を得るべく、実際の臨床検体に着目した。下顎骨区域切除術あるいは半側切除術施行症例の切除断端と病変深部の薄切切片に対してHE染色、マッソントリクローム染色、鍍銀染色、α-SMA染色等の特殊染色を行った。その結果、病変から離れた切除断端においても著明な線維化を示す膠原線維の存在を認め、放射線性骨髄炎の線維化の主役を筋線維芽細胞が担っていることを視覚的に初めて確認することが出来た。そしてこれまで存在しなかった下顎放射線性顎骨壊死の骨髄線維化Grade分類を作成するとともに、筋線維芽細胞が治療ターゲットとなりうるという確証を得た。この研究結果をまとめた論文は現在査読付き英文雑誌に投稿中であり、今後の新規治療法開発に繋がる大きな知見が得られた。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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