2020 Fiscal Year Annual Research Report
CD133陽性・陰性口腔癌細胞の細胞接着分子の翻訳後修飾の解析と診断治療応用
Project/Area Number |
19K19234
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂上 泰士 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (00735160)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 細胞接着分子 / 翻訳後修飾 / CD133 |
Outline of Annual Research Achievements |
CD133 は癌幹細胞の有力なマーカーとして考えられており,さらに細胞接着分子インテグリンは,口腔癌細胞の増殖・浸潤機構の制御に密接に関与していると考えられている.本研究では,CD133陽性・陰性口腔癌細胞における細胞接着分子の翻訳後修飾を解析し,癌幹細胞に対する新たな診断・治療標的を探索することで,従来のがん治療にかわる新しい口腔癌の診断法や治療法を開発することを目的とする。 ヒト口腔扁平上皮癌由来細胞株からCD133陽性・陰性細胞を分離した.そこで口腔癌由来CD133陽性・陰性細胞における口腔癌の増殖・浸潤機構の制御に関与するインテグリンαvの翻訳後修飾について明らかにするため,口腔癌扁平上皮癌細胞におけるインテグリンαvの蛋白翻訳後修飾について検討した.インテグリンαv低発現口腔扁平上皮癌細胞をリソソーム阻害剤にて処理すると,インテグリンαvの発現増加を認めた。一方で,インテグリンαv高発現口腔扁平上皮癌細胞では,リソソーム阻害処理するもインテグリンαv発現量の変化は認めなかった。これより一部の口腔扁平上皮癌細胞においてインテグリンαvはオートファジーの抑制により発現量が増加し,選択的オートファジーのアダプター分子であるp62の発現量にも相関した。以上より口腔扁平上皮癌においてインテグリンαvは蛋白翻訳後にオートファジー/リソソーム系による分解等の修飾を受けており,その修飾にはp62を介している可能性があると考えられた。
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