2020 Fiscal Year Annual Research Report
メラノーマの顎骨浸潤・遠隔転移における悪性度と発現量が相関するTLE3の役割
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19K19241
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
茂山 幸代 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10794480)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メラノーマ / TLE3 |
Outline of Annual Research Achievements |
メラノーマはメラノサイトから発生する悪性度が高いがんである。高い増殖能と浸潤能が特徴であり肺などへの遠隔転移も多い。申請者らはこれまでにメラノーマ患者の検体においてメラノサイトの悪性転化と悪性度亢進に伴い転写コファクターTLE3の発現量が上昇し、TLE3はメラノーマの増殖を促進することを明らかにした。また、TLE3の発現が高いメラノーマの患者では発現量が低い患者に比べて死亡率が上昇していた。 そのため本研究では悪性黒色腫の増殖・浸潤などを評価する。TLE3標的遺伝子制御機構にはHDACが関連するパターンとそうでないパターンがあることが知られる。そのためHDACの役割にヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)が関与するかどうかを明らかにすることで、現在悪性黒色腫治療の新たな治療薬として注目されてHDAC阻害剤の作用機序に新たな分子基盤を与えること目的としている。 まずTLE3を過剰発現させたマウスメラノーマB16細胞およびヒトメラノーマ細胞HMV-IIでは細胞増殖能が亢進していた。その時、CyclinD1、CyclinD2、CyclinA2などの細胞周期関連因子の発現量も増加していた。逆に、内在性のTLE3をノックダウンした細胞では細胞増殖能が低下していた。HDAC阻害剤を用いた実験から、TLE3の細胞増殖促進作用にはHDACが関与することも明らかとなった。次にヌードマウスの背部皮下にTLE3を過剰発現またはノックダウンした細胞をインジェクションするとTLE3を過剰発現した細胞はコントロール細胞に比べて大きな腫瘍を形成し、逆にノックダウンした細胞の腫瘍は小さかった。
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Research Products
(4 results)