2020 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌網羅的遺伝子解析に基づく 免疫チェックポイント阻害薬感受性の評価
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19K19245
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大澤 侑子 東海大学, 医学部附属病院, 臨床助手 (20837976)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / 口腔扁平上皮癌 / 頭頸部扁平上皮癌 / 遺伝子変異解析 / NOTCH1 / TP53 / 発現変動遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌9症例の正常粘膜組織と腫瘍組織をペアにして、RNA-Seqによる発現変動遺伝子解析を行った。正常粘膜組織と腫瘍組織では発現プロファイルが大きく異なった。正常粘膜組織に比べて腫瘍組織で発現が上昇していた遺伝子は11遺伝子、減少していた遺伝子は30遺伝子の合計41遺伝子を認めた。 さらに、RNA-Seqを行った症例の中から、4症例に全エクソームシーケンスによる体細胞変異解析を行った。。体細胞変異数は151~205変異で、TMB(/Mb)あたり2.5~3.4変異認めた。4症例全てにおいてTP53変異を認めた。データベースを用いて、これらのTP53変異の機能的は影響予測を行ったところ、有害な影響を及ぼす可能性が示唆された。よって、TP53遺伝子は口腔扁平上皮癌にとって重要な遺伝子であることが示唆された。今回、全エクソームシーケンスで体細胞変異を認めた遺伝子の中に、発現変動遺伝子は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔扁平上皮癌の臨床標本に対して、次世代シーケンサーを用いた遺伝子変異解析、発言変動遺伝子解析を開始している。ニボルマブ投与の対象症例は増えているが、当初の予想ほどではない。また、ニボルマブ投与で奏効を得られている症例が少ない。今後も、サンプル保存と遺伝子解析、臨床情報を得ることを継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も全エクソームシーケンスによる遺伝子変異解析と臨床情報から、ニボルマブの奏効・非奏効によって、4つの群に分類して、RNA-Seqによる発現変動遺伝子の解析を継続する。また全エクソームシーケンスとRNA-Seqの結果からアレル発現頻度解析を行う。
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Causes of Carryover |
消耗品の市場変動により相違が生じたため。次年度はピペットチップの購入により、差額を使用する。
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