2019 Fiscal Year Research-status Report
顎下腺再生過程での細胞骨格変化・Wnt/β-catenin経路に関する基礎的研究
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19K19248
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
白土 博司 日本大学, 歯学部, 助教 (50710844)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 唾石腺 / 再生過程 / 細胞骨格 / 細胞分化 / 萎縮 / 免疫組織化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目の実験計画に従い、ラット顎下腺主導管結紮動物モデルを用いた再生顎下腺の組織切片製作および免疫組織化学的解析を行った。7日間の顎下腺主導管結紮を行ったのちに、その結紮を解除した。解除後0日(D0)、3日目(D3)、7日目(D7)、11日目(D11)、14日目(D14)の再生過程にある顎下腺を摘出し組織切片を製作し、H-E染色およびPAS染色にて形態的変化を追跡した。H-E染色およびPAS染色にて結紮解除後0日では、顕著な腺房萎縮を認めた。再生腺房細胞は、D3までに常態時には存在しない導管様構造物と関連して出現し、経時的な増加を認めた。D14では、腺房構造は正常顎下腺と同様な組織像を呈するに至った。 ついで免疫組織化学的検索をF-actin・α-SMA・β-cateninについて行った。【α-SMAの局在】正常顎下腺にて腺房細胞および介在部導管周囲にα-SMAの局在が認められた。顎下腺の萎縮再生過程においてはD0~D11にて導管様構造物および再生腺房細胞周囲にその局在を認めた。D14では正常顎下腺と同様な分布を呈した。【F-actinの局在】正常顎下腺にて介在部導管の管腔側・腺房細胞基底側にそれぞれF-actinの局在が認められた。顎下腺の萎縮再生過程においてはD0~D11にて導管様構造物の管腔側・再生腺房細胞の基底側にそれぞれ局在を認めた。D14では正常顎下腺と同様な分布を呈した。【β-cateninの局在】正常顎下腺の腺房細胞において細胞間でのβ-cateninの局在を認めた。再生過程において、D0~D11にて導管様構造物の管腔側・細胞間に局在を認めた。D14では正常顎下腺と同様な分布を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記に示すごとく、免疫組織化学的検索が主体の研究計画である。1年目に製作した組織切片の大部分をF-actin・α-SMA・β-cateninの検索に供したため、その他ターゲット(EGFRs、PI3K、Wntファミリー、Frizzedなど)に用いるための切片が不足している。免疫組織化学的検索継続のため、顎下腺主導管結紮動物モデルを用いた再生顎下腺の組織切片製作を再度行う必要を考える。7日間の顎下腺主導管結紮を行い、その解除後0日(D0)、3日目(D3)、7日目(D7)、11日目(D11)、14日目(D14)の再生過程にある顎下腺を摘出し組織切片を製作する。その後、免疫組織化学的検索を2年目においても継続する必要がある。以上ことから当初の計画よりもやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目ではまずラット顎下腺主導管結紮動物モデルを用いた組織切片製作を再度行い、免疫組織化学的検索に供するサンプルの補充を行う。7日間の顎下腺主導管結紮を行い、その解除後0日(D0)、3日目(D3)、7日目(D7)、11日目(D11)、14日目(D14)の再生過程にある顎下腺を摘出し組織切片を製作し、必要十分量の補充を行う。ついで、integrin・EGFファミリー・EGFRs・PI3K・Wntファミリー・Frizzedを認識する抗体を用いて、それらの顎下腺再生過程(D0、D3、D7、D11、D14)における局在を免疫組織化学的に検討する。1年目と2年目で得られたデータから、ラット顎下腺再生過程において各タイムポイントごとでの各種タンパク質の局在変化を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) COVID-19のため予定していた学会に出席できなかったため繰越金が生じた。 (使用計画) 繰り越された金額と令和2年度の助成金を併せて、国内学会出席の旅費、実験動物の購入、免疫組織化学的検索に用いる抗体、分析用PC購入を目的として使用する予定である。
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