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2020 Fiscal Year Research-status Report

S. mutansの口腔バイオフィルム形成におけるストレス応答メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 19K19265
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

八十川 友紀 (松三友紀)  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90732800)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
KeywordsStreptococcus mutans / バイオフィルム / プロテオーム
Outline of Annual Research Achievements

齲蝕原性細菌Streptococcus mutansは、高い耐酸性を有しているため、口腔内の低いpH環境の中でもバイオフィルムを形成し続けることが可能である。口腔内のバイフォイルム形成は、細胞間のシグナル伝達システムによって制御されており、耐酸性はこのシステムの中で機能していると考えられているが、詳細なメカニズムは明らかとなっていない。これまでにS. mutansの持つ分子シャペロンタンパクDnaKおよびGroELが耐酸性に関与していることを明らかとしてきた。DnaKおよびGroELの発現が耐酸性を誘導して酸性下での菌の生育を可能にすることで、S. mutansによるバイオフィルムの形成に影響を与えていることが示された。また、S. mutans において DnaK が耐酸性を誘導することから、DnaK のシグナル伝達システムへの関与も明らかにした。分子シャペロンタンパクについては、S. mutansだけでなく、口腔内にバイオフィルムを形成する歯周病原細菌である Fusobacterium nucleatumでも研究が進められている。F. nucleatumでは、分子シャペロンタンパクとしてDnaKを始めHtpGおよびClpBがバイオフィルム形成に関連していることが既に報告されている。また、これらの分子シャペロンタンパクは、DnaKと同様にタンパクのフォールディングに関与しタンパク機能の安定化に関与することが示唆されている。さらにこれらのタンパクは、その遺伝子の高次構造から抗原となるタンパクの構造を取ることが示されており、免疫応答が可能となる抗原として機能することが考えられる。研究の目的は、S. mutansにおける新たな分子シャペロンタンパクを同定しバイオフィルム形成への関与を明らかにすることである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

出産、育児休暇のため。

Strategy for Future Research Activity

S. mutansにおいて既に報告されている全アミノ酸配列より、このような機能を持つと推定されるシャペロンタンパクを抽出し、それらの機能について同様の検討を行う。S. mutansのバイオフィルム形成におけるシグナル伝達について新たなシステムの構築を行う。
①これまで他の菌で報告されている分子シャペロンタンパクと相同性の高いタンパクをこれまでに報告されているS. mutansのアミノ酸全配列より抽出する。②抽出された分子シャペロンタンパクの過剰発現株および発現抑制株の作製を行う。③上記で得られた変異株を培養し、菌体による二次元電気泳動を行う。二次元電気泳動システムを用いて、タンパクの分離を行い、分子シャペロンタンパクの過剰発現株および発現抑制株でのタンパクの発現の比較を行う。供試菌をMRA液体培地にて培養した後、タンパク量を測定する。一次元目として、調整したタンパクをReady Strip IPG stropsにアプライした後、PROTEIN IEF Cellにセットし、泳動を行う。泳動後のStrip IPG stropsを平衡化した後、二次元目としてIPG stropsを7.5 %SDS-PAGEゲル内に固定し、電気泳動を行う。泳動後、銀染色を行い、タンパクを可視化する。
上記で得られた菌株のin vitro分析を行う。①バイオフィルム形成量の検討として、培養した変異株の菌液を0.5 %スクロース添加1/4 Todd Hewitt液体培地に播種し、96穴細胞培養用マイクロタイタープレートの各ウェルに分注し、37℃で2日間嫌気的に培養する。1 %クリスタルバイオレット溶液にて染色した後、波長570 nmの吸光度を測定する。②バイオフィルム構造の検討として、菌体と蛍光ラベルされた糖によりバイオフィルム形成させ、構造の変化を共焦点レーザー顕微鏡により観察する。

Causes of Carryover

(理由)出産、育児休暇により、研究に遅れが生じているため。
(使用計画)1. シャペロンタンパクの過剰発現株および発現抑制株の作製を行う。2. 二次元電気泳動システムを用いて、タンパクの分離を行い、分子シャペロンタンパクの過剰発現株および発現抑制株でのタンパクの発現の比較を行う。3. Real-time Reverse Transcription Polymerase-Chain Reaction法にて、S.mutans MT8148と各発現変異株による表層タンパクの遺伝子発現の解析を行う。4. バイオフィルム形成量および構造の検討を行う。5. タンパク発現に影響を与えるシグナルを検討する。6.シグナル受容体と遺伝子との結合を検討する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Streptococcus mutans における DnaK の表層タンパク発現への影響と役割2020

    • Author(s)
      吉田衣里, 松三友紀, 森川優子, 仲周平, 高島由紀子, 仲野道代
    • Organizer
      第 58 回日本小児歯科学会大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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