2022 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節滑膜細胞の破骨細胞誘導機構に着目した新たな変形性顎関節症治療戦略
Project/Area Number |
19K19277
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
横田 聖司 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50802401)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 変形性顎関節症 / 滑膜細胞 / ダメージ関連分子パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題で使用するFLS1細胞は各種P2受容体が存在し(Matsumoto et al, Dent J of Iwate Med Univ 45: 46-57, 2020.)、 特にP2Y1、P2Y12、P2Y13受容体のリガンドであ る細胞外ヌクレオチドの一種のADP(100μM) を作用させるとATPやUTPと比較して、局所の炎症反応を増悪するケ モカインの一種であるMCP-1/CCL2のmRNAレベルでの発現量が有意に上昇することを確認した。さらにP2Y1受容体の阻害剤であるMRS2179及びP2Y12の阻害剤であるARC-66096を作用させてもADPにより上昇したMCP-1/CCL2のmRNAレベルでの発現に影響を与えなかったが、P2Y13受容体の阻害剤であるMRS 2211を作用させるとADPにより上昇したMCP-1/CCL2のmRNAレベルでの発現量が有意に減少した。またFLS1細胞にADPを作用させるとMAPKのサブファミリーであるp38及びSAPK/JNKのリン酸化には影響を与えなかったが、ERKのリン酸化が確認でき(作用後10分でERKのリン酸化がピークとなる)、その阻害剤であるU0126を併用させるとそのリン酸化が抑制されることや、U0126の前投与により、ADP刺激によるMCP-1/CCL2の 発現誘導効果が阻害されることを確認した 。 これらの結果より、TMJ-OAの際に認めら れるADPの細胞外漏出がTMJ周囲の炎症症状 をMAPK依存的に増強することが明らかとなった(Yokota et al, Mol Biol Rep 50(2): 1595-1602, 2023.)。
|
Research Products
(3 results)