2019 Fiscal Year Research-status Report
Ca修飾によるチタン合金表面処理法の開発と骨形成・機能安定性促進に関する基礎研究
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19K19283
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井田 裕人 東北大学, 大学病院, 助教 (20746979)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 金属表面処理 / オッセオインテグレーション / 生体力学的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
チタン合金、酸エッチングチタン合金、Ca修飾チタン合金、酸エッチングCa修飾チタン合金の4種の金属箔の表面構造の評価として、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察およびカラー3Dレーザー顕微鏡を用いた表面粗さ(Ra)の測定、X線光電子分光測定(XPS)を用いた表面を構成する元素の組成、化学結合状態の分析を行なった。また、疑似体液(成分:142 mM Na+、5.0 mM K+、1.5 mM Mg2+、2.5 mM Ca2+、147.8 mM Cl-、4.2 mM HCO3-、 1.0 mM HPO42-および0.5 mM SO42、pH:7.4、温度:37.5℃)5.0ml中に各上記4種の金属箔を3つずつ入れ、1、3、7、14、28日後、pHの変化を計測し、28日後にカルシウムとチタンの擬似体液残留元素濃度を誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)にて定量評価した。 実験動物を用いた研究では、ビーグル犬顎骨への上記4種組成のスクリュー埋入を行い、埋入前後でのスクリューの表面構造の変化をSEMにて評価した。さらに、 アリザリンレッドS染色による撤去後スクリューの骨様沈着物の量や損傷の程度について検討した。 生体力学的評価として、トルクゲージを用いて上記ビーグル犬において各種スクリューの埋入トルク値および埋入直後、埋入1、4、6、8週後の撤去トルク値の測定および埋入後のスクリューの安定性を評価するためぺリオテストを用いて動揺度を測定した。 ビーグル犬へのスクリュー埋入8週後にμCTを用い、骨密度を解析し、埋入周囲骨の3次元的評価を定量的に行い各種スクリュー間で比較検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度に実施予定であったCTによるスクリュー埋入周囲骨の3次元的評価を先行して行ったため、令和元年度に実施予定であった、金属片上での単球の細胞株を用いた炎症性マーカーの発現度評価を実施する時間が十分でなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度に実施予定であった、金属片上での単球の細胞株を用いた炎症性マーカーの発現度評価を優先的に行った後、令和2年度に実施予定である研究計画を随時遂行する。
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Causes of Carryover |
令和元年度に実施予定であった、金属片上での単球の細胞株を用いた炎症性マーカーの発現度評価を実施しなかったため、次年度使用額が生じた。令和二年度は、上記の炎症性マーカーの発現度評価に加え、スクリュー埋入周囲骨の組織学的評価、リアルタイムPCRによる埋入窩組織の骨芽細胞、破骨細胞関連因子の発現量の評価および生体安全性の評価を随時遂行し、助成金を計画的に使用する予定である。
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