2020 Fiscal Year Annual Research Report
Ca修飾によるチタン合金表面処理法の開発と骨形成・機能安定性促進に関する基礎研究
Project/Area Number |
19K19283
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井田 裕人 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (20746979)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 金属表面処理 / オッセオインテグレーション / 生体安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
チタン合金、酸エッチングチタン合金、Ca修飾チタン合金、酸エッチングCa修飾チタン合金の4種金属組成のスクリューについて生体埋入実験を行った。実験動物として10か月齢のビーグル犬を4匹用い、スクリュー埋入8週後に全身麻酔下において、トレフィンバーを用いてスクリュー1本を含む骨ブロックを摘出した。摘出した骨ブロックに対し樹脂包埋を行い、スクリューの長軸方向と垂直に、ミクロトームを用い、厚さ100μmの非脱灰切片を作製した。骨ブロック摘出10日前にカルセイングリーン、3日前にテトラサイクリンの静脈内投与を行い、生体染色により1日における新生骨の形成率であるMARおよび骨形成速度であるBFRの測定を行った。続いて切片をビラヌエバ骨染色試薬にて染色を施し、光学顕微鏡による観察を行い、骨形態計測(スクリュー周囲と周囲骨との接触率BIC、およびスクリュー周囲から240μmの骨の面積比率BAの2種類の項目の計測)を行った。 その結果、酸エッチングCa修飾チタン合金スクリュー周囲には他のスクリューより新生骨形成が有意に多く認められた。骨形成速度を表すMARとBFRに関しても、酸エッチングCa修飾チタン合金スクリュー埋入周囲骨が有意に高い値を示した。 さらに上記のビーグル犬について、スクリュー埋入前、埋入2、4、6、8週後に左後足伏在静脈より3.5mlの血液採取を行い、ICP-MSにより血液中の含有元素(Ca、Ti、Al、V)濃度の測定、比較を行うことにより生体への安全性を評価した。 血液内含有元素濃度測定結果より、全てのスクリューとコントロール群(スクリューを埋入を行っていない群)間において有意差は認められなかった。
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[Journal Article] Titanium surface treatment by calcium modification with acid-etching promotes osteogenic activity and stability of dental implants2020
Author(s)
Yujiro Doe, Hiroto Ida, Masahiro Seiryu, Toru Deguchi, Nobuo Takeshita, Satoshi Sasaki, Shutaro Sasaki, Daiki Irie, Kanji Tsuru, Kunio Ishikawa, Teruko Takano-Yamamoto
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Journal Title
Materialia
Volume: 12
Pages: 100801
DOI
Peer Reviewed / Open Access