2019 Fiscal Year Research-status Report
炎症誘導ケモカインレセプター刺激の破骨細胞形成および矯正学的歯の移動への影響
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19K19284
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島 和弘 東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (40792148)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / CXCR7 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の研究でLPSによる刺激によってCXCL12がCXCR4に結合し炎症が増強されることを報告した。CXCl12の主たる受容体はCXCR4であるが、CXCR7にも結合し抑制的に作用するという報告がある。今回、LPS刺激による炎症作用にCXCR7の影響を明らかにするために、現在までにLPSによるin vivoでの破骨細胞形成、および骨吸収に対するCXCR7の影響を調べた。野生型マウスの頭蓋部にLPS単独、LPSとCXCR7のagonistであるVUF11207をそれぞれ投与後、頭蓋骨を採取し、組織切片を作製し、破骨細胞形成を比較評価した。その結果、VUF11207はLPSによる破骨細胞形成を抑制した。骨吸収像をマイクロCTにて撮影し比較評価した。また、血中の骨吸収マーカーであるCTX血中濃度を測定し骨吸収を比較評価した。同様にVUF11207はLPSによる破骨細胞形成を抑制した。また、in vitroの実験で、RANKLによる破骨細胞形成およびTNF-aによる破骨細胞形成においてCXCL12はそれらを促進することを報告したが、このCXCL12の作用をVUF11207が抑制するかどうかを検討した。その結果、RANKLおよびTNF-aによる破骨細胞形成をCXCL12は促進したが、VUF11207で抑制した。その結果より、VUF11207はCXCL12による破骨細胞促進を抑制することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までにCXCR7のagonistであるVUF11207がin vivoにおいてLPSが誘導する破骨細胞形成および骨吸収を抑制することを見出した。また、in vitroの実験で、RANKLおよびTNF-aによる破骨細胞形成においてCXCL12の破骨細胞形成促進作用をVUF11207が抑制した。その結果より、VUF11207はCXCL12による破骨細胞促進作用を抑制することを明らかにした。計画通りに進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにCXCR7のagonistであるVUF11207がin vivoにおいてLPSが誘導する破骨細胞形成および骨吸収を抑制することおよびin vitroにおいて、RANKLおよびTNF-aによる破骨細胞形成においてCXCL12の破骨細胞形成促進作用をVUF11207が直接的に抑制することを明らかにした。今後は、CXCR7の矯正的歯の移動に対する役割を解明していく。野生型マウスにて矯正学的歯の移動実験を行い、CXCR7のagonistであるVUF11207を投与し、歯の移動量、圧迫側における破骨細胞形成成の検討を行い、矯正学的歯の移動における肥満およびCXCR7の働きについて明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
機器の購入予定であったが実験計画に変更があり、本年度購入予定。
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