2019 Fiscal Year Research-status Report
裂型に着目した唇顎口蓋裂における3次元顎顔面形態解析と遺伝要因の解明
Project/Area Number |
19K19302
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 正皓 昭和大学, 歯学部, 講師 (10736713)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 唇顎口蓋裂 / 顎顔面形態 / 遺伝子解析 / CBCT |
Outline of Annual Research Achievements |
乳歯列期における片側性唇顎裂、片側性唇顎口蓋裂、および両側性唇顎口蓋裂といった異なる裂型の唇顎口蓋裂間に存在する顎顔面形態の特徴および差異を明らかにするため、cone-beam computed tomography (CBCT)画像を用いて、形態解析を行った。昭和大学歯科病院矯正歯科を受診した、非症候性唇顎口蓋裂患児と先天性疾患や全身疾患を伴わない患児の中から、84名(平均年齢4.66±0.47歳、男児46人、女児38人)を選択し、両側性唇顎口蓋裂群、片側性唇顎裂群、片側性唇顎口蓋裂群、および唇顎口蓋裂を伴わないControl群の4つの群に分類した。CBCTを用いて下顎骨体積の計測と角度・線計測(計9項目)を行い、下顎骨体積および顎顔面形態の比較を行った。統計的検定には、共分散分析とBonferroni法を用いた。共分散分析の結果から、下顎骨体積に有意差は認められなかったが、角度・線計測を行った5項目(SNA、ANB、SN-MP、Co-A、Go-Gn)に有意差を認めた。さらに、Bonferroni法を用いた多重比較検定の結果から、片側性唇顎裂群と片側性唇顎口蓋裂群間、片側性唇顎口蓋裂群と両側性唇顎口蓋裂群間、片側性唇顎裂群と両側性唇顎口蓋裂群間、および両側性唇顎口蓋裂群とControl群間に、形態学的有意差を認めた。 本研究課題における意義と重要性は、唇顎口蓋裂の顎顔面領域における形態的特徴と遺伝的要因との関連性を明らかにするために、遺伝子解析とCBCTを用いた三次元的形態解析を、異なる裂型に詳細に分類して行うことである。 当該年度では、唇顎口蓋裂の裂型の違いによる顎顔面形態の特徴および差異を明らかにすることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CBCTを用いた顎顔面形態の3次元的な形態計測および解析は終了し、裂型の違いによる唇顎口蓋裂における顎顔面形態の特徴をまとめることができたが、当初予定していた遺伝子解析が開始できていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
エクソーム解析を行い、裂型の違いにおける顎顔面形態の特徴と遺伝的要因との関連性の有無について検証を行う。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、遺伝子解析の開始が遅れており、解析に関わる費用等が計上されていないことと、予定していた国際学会へ参加が出来なくなってしまったことが挙げられる。2020年度の使用計画としては、遺伝子解析費用、国内外の関連学会参加費用、論文作成費用に使用する予定である。
|