2021 Fiscal Year Research-status Report
歯の形態形成における一次繊毛遺伝子と外的環境因子の関わり
Project/Area Number |
19K19305
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
緒方 佳代子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (70830123)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MIM / 石灰化 / 歯根形成 / 歯 / 歯の発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
Molar Incisor Hypomineralization(MIH)や Molar Incisor Malformation(MIM)は、第一大臼歯、切歯といった特定の歯種に限局した形成異常を生じる。しかしながら、これらの原因はいまだ明らかになっておらず、MIHやMIMといった形成異常を呈する歯は、成長発達期である小児においては健全な口腔機能の獲得に不利となる。本研究では培養細胞と実験動物を用いて、MIHとMIMの発症原因を遺伝的因子と環境因子の両方向から探索し、歯の形成への個々の影響とその相乗効果を検証することを目的とする。 本年度は、MIMに認められるcervical mineralized diaphragm(CMD)とよばれる歯髄腔の異所性石灰化に着目し、マウス歯乳頭由来細胞株(mDP細胞株)を用いて、培地にプレドニゾロン(PSL)を添加後、1日、3日、5日間培養を行い、象牙芽細胞・骨芽細胞分化の検討を行った。リアルタイムPCRを用いて、分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ(ALP)、オステオカルシン(OC)、象牙質シアロリンタンパク(DSPP)、象牙質マトリックスタンパク質1(DMP1)等の遺伝子発現解析を行ったところ、コントロール群と比較して、PSL添加群では、ALP、OCの発現増加が確認された。一方で、DSPP、DMP1の発現には変化は認められなかった。 動物実験では、ICRマウスにPSLを皮下投与し、生後7日齢、14日齢、21日齢、28日齢でサンプリングを行い、ヘマトキシリン・エオシン染色およびマイクロCT解析により、歯の形成におけるPSLの影響についてコントロール群と比較検討を行ったが、明らかな変化は認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験の条件検討に時間を要したことや、論文投稿準備に時間がかかり、若干の遅れが生じ、期間の1年延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
成果を国際誌に報告する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大防止のため、国内学会がオンライン開催となり、旅費を使用しなかった。現在、本研究の国際誌への投稿準備を行っており、論文投稿費に使用する計画である。
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