2019 Fiscal Year Research-status Report
子どものう蝕と野菜から食べる “ベジファースト”との関連についての検証
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19K19310
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 奏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10736474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ベジファースト / 野菜 / う蝕 / 社会経済状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度の横断データを用いて、ベジファーストとう蝕との関連を検証した。2015年度の時点で足立区の小学校へ通う小学1年生を対象とし、う蝕(DMFT:decayed, missed due to decay, and filled teeth)の本数をアウトカム、ベジファースト習慣の有無を説明変数、親の婚姻状態、生活困難、歯磨きの頻度、清涼飲料水の摂取頻度、間食の摂取方法を調整因子として設定し、ポアソン回帰分析を実施した。全回収データ4,467名(回収率83.4%)のうち、使用項目に欠損がないデータ3,689名(男児:1,908名、女児:1,7831名)を解析対象とした。ベジファースト習慣がある者の割合は12%であった。DMFTの本数は0本が62%、1-2本が17%、3-4本が8%、5本以上が13%であり、う蝕の既往がある者は全体の38%であった。ベジファースト習慣を持っている者の方が、持っていない者に比べ、歯磨きの回数が多い、清涼飲料水の摂取頻度が低い、間食を摂らないまたは時間を決めて摂ると答えた割合が多く、比較的良好な保健行動をとっている傾向が示された(p<0.001)。多変量ポアソン回帰分析の結果ベジファースト習慣を持つ者の方が、持たない者よりもDMFTの本数が少ない傾向がみられ、DMFTに関連すると考える因子を全て調整した上でも、統計学的有意にベジファースト習慣がある者の方が、ない者に比べてDMFTの本数が少ない傾向が示された(DMFTの本数:PR (95%CI)=0.89 (0.81-0.98))。本研究より、社会経済状態的に不利であるかどうかに関わらず、ベジファースト習慣を獲得することでう蝕を減少出来る可能性が示唆された。しかし、本結果は横断データに基づくため、結果の因果関係には言及できない。よって、今後、縦断データを用いた検証が必要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
横断データの結果について解析し、2019年度European Public Health Conferenceにて発表済みのため。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年~2018年の縦断データを用い、う蝕発生とベジファースト習慣の継続との関連について検証を実施する。結果については、2020年度European Public Health Conferenceでの発表および論文執筆を予定している。
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Causes of Carryover |
新型インフルエンザの蔓延等の影響で予定していたPCが購入できなかったため(PC部品の不足などにより欠品状態であった)。状況が落ち着き、購入可能になり次第、適宜予定通り購入する。
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