2021 Fiscal Year Research-status Report
オゾンナノバブル技術を応用した殺菌性口腔内保湿剤の開発と臨床応用
Project/Area Number |
19K19317
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
片岡 正太 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40808010)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酸素ナノバブル / 次亜塩素酸ナノバブル / 口腔細菌叢 / 口腔保湿剤 / 口腔洗口剤 / メタゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はナノバブル水を応用して、誤嚥の疑いや有病・多剤服用高齢者に対して使用可能な殺菌性口腔ケア用保湿剤を開発することを目的とする。本研究ではナノバブル水に粘稠性を付加することにより、持続的に口腔内で、殺菌性・保湿性を発揮する口腔ケア用保湿剤の製作をおこない、その有効性の検討をおこなう。 先年度は酸素ナノバブル水に加え次亜塩素酸ナノバブル水を作成し、P. gingivalis (P.g)とF. nucleatum(F.n)のコロニー形成に対する影響を調べた。その結果、次亜塩素酸ナノバブル水ではP.g およびF.nに対して明らかなCFUの減少がみられ、酸素ナノバブル水では、ややCFUの減少がみられた。 次に、唾液細菌叢に対する各ナノバブル水の影響を調べるため、次世代シーケンサー(MiSeq)によるメタ16s解析を行った。協力歯科医院を受診した患者16名をリクルートし、吐唾法による唾液の採取を行った。採取した唾液を、BHI培地に超純水、酸素ナノバブル水および次亜塩素酸ナノバブル水をそれぞれ加えた3つのチューブに分注し、6時間嫌気培養後10,000rpmで10分間遠心後、菌体を回収し、DNA抽出キット MORA-EXTRACT(AMR株式会社)を用いてDNAの抽出を行った。抽出したDNAをメタ16s解析を行った。その結果、1)各ナノバブル水の曝露により、唾液細菌叢の多様性に有意な影響は確認されなかった、2) 次亜塩素酸ナノバブル水の曝露によりPorphyromonas属の占有率に有意な減少が確認され、細菌種においてはP. pasteriの占有率が有意に減少することがわかった。 現在、以上の結果をまとめ論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先年度の酸素ナノバブル水への変更に加え、本年度は新たに次亜塩素酸ナノバブル水を作成し、口腔内細菌への影響を確認した。また、唾液細菌叢に対する次世代シーケンサーによるメタ16s解析を行い、各ナノバブル水曝露の影響を確認したところ、次亜塩素酸ナノバブル水曝露によるPorphyromonas属の占有率に有意な減少が確認され、細菌種においてはP. pasteriの占有率が有意に減少することがわかった。当結果は、ナノバブル水曝露による細菌叢への影響を検討した先行研究は口腔細菌叢を対象とした研究はもの少ない点、P. pasteriがバイオフィルム形成に関与する口腔内細菌であることが報告されており、特にバイオフィルム形成過程において早期定着菌と後期定着菌の架け橋となる役割を果たすことが報告されている点からも、新規性のある結果と考えられ、論文としてまとめ、執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の結果は新規性のある結果と考えられるため、現在、論文としてまとめ執筆中である。論文の執筆と並行しながら、P. pasteriの培養を行い、次亜塩素酸ナノバブル水曝露によるコロニー形成への影響などを調べる予定である。
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Causes of Carryover |
協力歯科医院を受診した患者からの唾液サンプルを想定より集めることが出来ず、次世代シーケンサー検査依頼数が予定よりも少なくなってしまったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、P. pasteriを購入し、次亜塩素酸ナノバブル水曝露による、コロニー形成への影響を確認実験を行う。また、論文投稿費や学会参加費等への使用を予定している。
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Research Products
(1 results)