2022 Fiscal Year Annual Research Report
サルコペニアによる摂食嚥下障害の新たな診断方法開発とリハビリテーション効果の検証
Project/Area Number |
19K19323
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
横田 悠里 (矢島悠里) 日本歯科大学, 生命歯学部, 臨床講師 (50803219)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Sarcopenic Dysphagia / サルコペニア / 嚥下造影検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアによる摂食嚥下障害(Sarcopenic Dysphagia)の診断方法として嚥下造影検査(videofluoroscopic swallow study VFSS)の有用性を検証し、リハビリテーション実施による効果を検証することを目的に本研究を行った。 摂食嚥下障害を主訴に来院した60歳以上の患者のうち、頭頸部がん、神経変性疾患を除く56名(男性39名、女性17名、平均年齢 80.9±8.1歳)を対象とした。測定項目は、四肢骨格筋量(Skeletal muscle mass index :SMI)、舌圧、VFSS画像から嚥下動態を測定した。測定は初診時と半年間リハビリテーションを実施した後に行った。 初診時のSMIは性別(p<0.000)、年齢(p=0.040)、舌圧(p=0.039)、咽頭腔断面積(p=0.047)と関連を認めた。半年後のSMI変化率は咽頭腔断面積の変化率(p=0.002)、喉頭位置の変化率(p=0.027)、甲状軟骨前方移動量の変化率(p=0.001)と関連がみられた。半年間でのSMIの変化を従属変数としたロジスティック回帰分析を行ったところ、咽頭腔断面積の変化率(odds ratio [OR] 0.790,95% confidence interval [CI] 0.687-0.909,p = 0.001)が有意な関連を認めた。 初診時のSMIと舌圧、咽頭腔断面積において有意な関連を認めたことは、過去の報告と同様の結果であった。半年間リハビリテーションを実施し、SMIが向上したものは咽頭腔断面積の減少、喉頭位置の上昇、喉頭前方移動量の増加を認めた。また、半年間のリハビリテーションでのSMIの変化率は咽頭腔断面積の変化率との関連がみられ、VFSSによる咽頭腔断面積の測定の有用性が示唆された。
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