2020 Fiscal Year Research-status Report
認知機能低下を早期に察知する口腔保健指標の同定及びその展開可能性の検討
Project/Area Number |
19K19325
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小宮山 貴将 東北大学, 歯学研究科, 助教 (70803550)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔保健 / 認知症 / コホート研究 / 認知機能 / 高齢者 / 咀嚼能力 / 舌圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦における認知症の有病率は今後も上昇することが予測されており、その上昇する傾きを抑えることが必要である。アルツハイマー病のように、自覚症状やそれに続く生活機能障害が生じる以前に疾患が発症するならば、高齢期の早い段階や高齢期に達する以前にその兆候を把握することで、認知症進行の抑制に寄与できる可能性がある。本邦を代表する循環器コホートである大迫研究は、まさにこれらの年代をターゲットとしたものであり、派生的に今後の認知症対策に貢献しうる。これら対象集団の特性を活かして、網羅的に口腔保健指標を採取することで、歯科的および他分野と連携しながら、認知症対策に何かしらの提言が可能となるようなエビデンスを構築することを目指す。 今年度はこれまで蓄積したデータをクリーニングし、解析可能な状態とした。実際の解析には、倫理審査委員会による変更承認等が必要とされるが、2021年度には医科データと連結した状態で解析ができる見込みである。 しかしながら、COVID-19流行のため、2020年10月から2021年3月にかけて実施予定だった計6回の歯科検診は全て中止または次年度への延期となった。歯科検診は、現在歯数などの口腔内診査に加えて、口腔関連QOLや口腔清掃状態、義歯の使用などに関する聞き取り調査、口腔湿潤度検査、舌苔に付着した細菌数、グミを用いた咀嚼能力検査、舌圧計を用いた舌圧測定、デンタルプレスケールを用いた咬合圧検査を予定し、準備を整えていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス流行の影響で、2020年度に実施予定だった計6回の歯科検診は全て中止または次年度への延期となった。その為、データベース作成は当初の予想よりも遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は万全な感染対策を施しながら検診は実施予定であるため、着実なサンプルサイズの増加を目指す。併せて、統計解析も並行して行い、国内外での学会発表および権威のある学術誌への投稿も目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行の影響により、予定していた検診が全て中止または次年度への延期となった。その為、検診に使用する消耗品の購入および検診会場への旅費が未消化となった。来年度は、今年度分の検診を行う予定であることから、計画通りに検診実施に必須な消耗品の購入、旅費に充てたいと考えている。
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