2019 Fiscal Year Research-status Report
前向きコホートによる「飲み放題」の利用が飲酒量に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
19K19346
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉本 尚 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80608935)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 飲み放題 / 大学生 / 飲酒量 / 前向きコホート |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では24時間アルコール飲料の購入が可能であったり、多くの飲食店において飲み放題サービスが提供されるなど、未だにアルコールに対して寛容な環境がある。本研究は前向きコホートによって飲み放題システムの1回飲酒量に与える影響を明らかにする。本研究によって、アルコールと上手に付き合いながら社会で活躍するための大学生への教育や、大学生自身の飲み放題の利用が自分たちの飲酒量に与える影響を知り、自己選択を行うことが可能となる。また、飲み放題サービス提供者に対する提供方法等についての議論にも発展する可能性がある。 日本は2013年に「アルコール健康障害対策基本法」が策定され、国の方針である「アルコール健康障害対策推進基本計画」が2016年に策定されたが、24時間アルコール飲料の購入が可能であったり、多くの飲食店において飲み放題サービスが提供されるなど、未だにアルコールに対して寛容な環境がある。本研究は前向きコホートによって「飲み放題」システムの1回飲酒量に与える影響を明らかにする。 初年度は当初計画に基づき、大学生の「飲み放題」利用に関する質問紙票の開発を行った。具体的には生涯および過去1年間の「飲み放題」利用の有無、「飲み放題」利用時/非利用時の1回飲酒量および2時間での最大飲酒量である。その他、年齢、性別、学年、学部などの基本属性と、AUDIT (Alcohol Use Disorders Identification Test)10項目、飲酒開始年齢、飲酒頻度と量、QOL、主観的健康度、ビンジ飲酒の経験の有無、「飲み放題」利用/非利用理由が含まれた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙の開発は順調に進んでいる。すでに研究実施同意が得られている複数の大学に所属する3年次以上の学生を対象とした計1,000人を対象とする横断調査を、2020年3月から4月の健康診断時に行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、健康診断だけでなく、大学生が集まる機会が全くなくなっている状態であり、研究実施の計画が未定となっている。各大学の調査実施時期の調整に難航しそうではあるものの、今年度中に予定通りの実施を行えるよう、計画変更を予定しているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
各大学での調査を実施し、データの分析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
各大学の健康診断等、調査を実施できるタイミングがバラバラであり、調整を試みたが、今年度での実施準備が困難であった。 前年度の残金は調査実施における印刷や調査実施時の調査員確保など、委託業者への依頼費用であった。各大学の健康診断等、調査ができる時期を見定め、計画通りに研究を推進していく事で残金はすべて使用可能であると考えている。
|