2020 Fiscal Year Research-status Report
情報共有に必要十分な診療録を判別する定量的な尺度の開発:次世代電子カルテに向けて
Project/Area Number |
19K19347
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
香川 璃奈 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10824675)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | EHR / document / communication / 電子カルテ / 文書構造 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
診療録の記載内容について、レビュー論文にまとめた。その際の議論の結果、2020年度は、より基盤的な課題に注力することとした。 記録された情報を介したコミュニケーションにおける認知バイアスの解明が不十分であったため、関連する研究課題の一例として、より良い記録を促すナッジやブーストの設計方法の提案を行った。 また、診療録は記載内容に専門性が高く、書き手と読み手の背景知識の評価が課題となることが明らかになった。そこで、書き手と読み手の背景知識違いが診療録ほど明確ではない、他の文書において、予定された実験を行った。これにより、文書の内容と構成が読み手の効用と書き手の負担に影響をもたらすことを定量的に確認した。 また2019年度の結果も踏まえて、研究材料を増やすための擬似的な診療録文書の作成と公開も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
診療録の記載内容について、レビュー論文にまとめた。その際の議論の結果、2020年度は、より基盤的な課題に注力することとした。 記録された情報を介したコミュニケーションにおける認知バイアスの解明が不十分であったため、関連する研究課題の一例として、より良い記録を促すナッジやブーストの設計方法の提案を行った。 また、診療録は記載内容に専門性が高く、書き手と読み手の背景知識の評価が課題となることが明らかになった。そこで、書き手と読み手の背景知識違いが診療録ほど明確ではない、他の文書において、予定された実験を行った。そこで、文書の内容と構成が読み手の効用と書き手の負担に影響をもたらすことを明らかにした。 当初の想定とは異なる進捗ではあるが、情報共有に必要十分な診療録を検討する上で議論が必須である要素をより広く整理でき、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度までの結果をもとに、診療録について予定されていた実験、および2020年度の研究の幅の広がりに基づく、より基盤的かつ広い応用先を対象とした実験を実施する。
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Causes of Carryover |
covid19の影響で実験の再考が必要になった箇所があったため。今年度は、様々なオンラインアンケート調査サイトの比較を行い、実験参加者の収集を再考した。改めて次年度に実験参加者を収集して予定されていた実験を行う。
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