2020 Fiscal Year Research-status Report
患者中心性視点からのかかりつけ医の質と受療行動に関する調査研究
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19K19348
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池上 亜希子 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60731073)
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Project Period (FY) |
2019-02-01 – 2022-03-31
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Keywords | 患者中心性 / かかりつけ医の質評価 / 受療行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大学病院総合診療科外来初診患者に対して、患者中心性視点でプライマリ・ケアの質を評価するJPCAT(Japanese version of Primary Care Assessment Tool)を用いて、かかりつけ医の質評価とその受療行動との関連を調査し、受療行動に影響するかかりつけ医に求める質を具体的に明らかにすることを目的とする。 学内の倫理審査の承認が得られたため、2020年5月よりアンケート調査を開始した。 千葉大学医学部附属病院総合診療科は診断困難例を扱う特性から、これまで県内のみならず全国から患者が来院していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大、複数回の緊急事態宣言により、年間受診患者数が減少した。患者数減少への対策の一つとして、早期よりオンライン診療の導入を行ったため、オンライン受診患者も本研究の対象者に含められるよう、同様の内容のオンラインアンケートフォームを作成し、研究への協力を依頼した。 紙媒体ならびにオンラインで回収したアンケートについては、予め作成したフォームへの結果入力、希望者に対する謝礼品の送付など、必要な手続きを速やかに実施した。受診患者数減少に伴い、目標対象者数には満たなかったが、滞りなくアンケート調査を進行出来、2021年3月で終了した。 また2020年5月にオンラインで開催された第11回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会、12月にオンラインで開催された第二回Primary Care Research Connect年次集会に参加し、情報収集を行った。第二回Primary Care Research Connect年次集会では他の研究者の着眼点や研究手法についての新たな学びが得られ、また論文執筆の際に参考となるレクチャーなどを聴講出来、大変有意義であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
やや開始が遅れたものの、2020年5月から2021年3月にかけてアンケート調査を実施することが出来た。対象者数は394名と当初の半数に留まったが、95.7%の高い回答率が得られた。そのうち、かかりつけ医のいる対象者が217名(55.1%)であった。今後このデータを元に、解析・考察を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者数は、当初の目標の半数に留まってしまったが、先行研究と同等数の対象者数は得られたため、調査期間の延長は行わず、今回のデータを用いて解析・考察を進めていく。その後、学会発表、論文化など国内外への結果の公表を予定したい。
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Causes of Carryover |
本年度はアンケート調査の実施に伴う費用、主に謝礼品費を中心に使用予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う受診患者数減少により、謝礼品送付数も当初の想定より減少したため、次年度使用額が生じた。次年度は解析・考察を行い、論文化による結果公表を予定しているため、そのための経費として使用したい。
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