2020 Fiscal Year Research-status Report
医師の服装が患者の受け取る共感に及ぼす効果に関する量的・質的研究
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19K19352
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松久 貴晴 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80782101)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 共感 / 服装 / CARE Measure / 家庭医 / 医師患者関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、2019年に日本の家庭医療専門医を対象に行ったアンケート調査について解析を行い、日本の家庭医療専門医は、診療の場ごとに着衣する服装を変える傾向があることを明らかにした。結果については、A survey of Japanese physician preference for attire: what to wear and whyとして、第11回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で大会長賞候補演題として発表を行った。(2020年7月から8月、Web開催)また、2020年11月にNagoya Journal of Medical Scienceに論文として報告を行った。(Nagoya J Med Sci.2020 Nov;82(4):735-745.doi:10.18999/nagjms.82.4.735.) 家庭医の白衣着用の有無が「患者の視点からの医師の共感」に与える影響を調査するため、5つのクリニックの7人の医師を受診した637人の患者から日本語版CARE Measureと背景調査の収集を完了した。解析の結果、医師の着衣の種類は、全体として患者の受け取る医師の共感に影響を与えないが、男性患者に限定すると、白衣はカジュアルな服装に比べて、有意に受け取る医師の共感を低下させることを明らかにした。結果については2021年3月にBMC family practiceに論文として報告を行った。(BMC Fam Pract.2021 Mar 31;22(1):59.doi:10.1186/s12875-021-01416-w.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の第一段階である日本の家庭医専門医の服装に関する実態と好み調査に関しては、すでに調査を終了し、論文化、学会発表を行うことができ、当初の予定通り進展している。 また、研究の第二段階の家庭医の白衣着用の有無が「患者の視点からの医師の共感」に与える影響を調査に関しても、当初の予定通り、論文化をすることができ、当初の予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の第一段階、第二段階までは終了したため、第三段階を開始する予定である。第三段階では、第二段階の調査にて医師の共感の患者の受け取り方に性差がある可能性があるため、その要因について更なる調査を行う予定である。 また、共感の高い医師の診療は患者の臨床的アウトカムがよいことが分かっており、患者の行動変容を促すことがが重要と考えられる。行動変容に関わる因子についても調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
2020年はCOVID-19の流行に伴い、予定されていた学会等がすべてオンライン開催となり、予定していた旅費を使用しなかった。次年度での学会報告、論文作成にかかる学会費、旅費、英文校正費、論文投稿量等において使用する予定である。
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