2021 Fiscal Year Research-status Report
医師の服装が患者の受け取る共感に及ぼす効果に関する量的・質的研究
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19K19352
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松久 貴晴 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80782101)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 共感 / 服装 / CARE Measure / 家庭医 / 医師患者関係 / 行動変容 / 健康増進 / 補完医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
家庭医の白衣着用の有無が「患者の視点からの医師の共感」に与える影響を調査した研究結果について、第12回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で口演発表を行った(2021年5月22日、Web開催)。 2020年度までに実施した研究を通して、医師の服装は、患者の受け取る医師の共感に影響を与えないことが示唆された。患者は医師の服装というわずかな変化に影響は受けず、医師とのコミュニケーションを通じ、医師の共感を感じることが、患者の行動変容を引き起こし、患者の健康増進に寄与すると考えられた。それゆえ、我々は患者の行動変容に着目し、行動変容に有効な方法を探索することを研究テーマとした。 包括的な栄養・運動療法に加え、補完医療であるマインドフルネス瞑想を併用することが、メタボリックシンドロームの人の減量に効果があることが明らかにされている。近年コロナウイルス感染症の影響もあり、対面でのセッションは限定的になっており、アプリなどの非対面式が代替手段となっている。マインドフルネス携帯アプリを通常の栄養・運動療法に併用することが、メタボリックシンドロームの減量に寄与するかどうかを調べるために、30名を対象としたランダム化比較試験を実施した。14人のメタボリックシンドロームの人が包括的な栄養療法と運動療法を受け、残りの16人が包括的療法に加え、マインドフルネスアプリを使用し、体重減少や摂食行動にいかに影響を与えるかを研究した。現在結果を解析中である。 日本において、医師、薬剤師を対象に、患者が医療者の共感を評価する尺度である日本語版CARE Measureの妥当性・信頼性が実証されているが、補完医療の担い手である、鍼灸師に対しては実証されていない。そこで、我々は、鍼灸師に対してのCARE Measureの妥当性・信頼性を評価するため、現在研究計画を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の第一段階である日本の家庭医専門医の服装に関する実態と好み調査と、第二段階の家庭医の白衣着用の有無が「患者の視点からの医師の共感」に与える影響の調査に関しては研究計画通り進行した。しかし、これまでの研究結果を考察した結果、研究計画を大幅に変更したため、当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在取り組んでいるマインドフルネス携帯アプリケーションのメタボリックシンドロームの人に与える減量効果、食行動の変化の研究について、論文作成・学会発表を行う。 また、日本語版CARE Measureの鍼灸師における信頼性・妥当性の検証の研究に関しても研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
2021年はCOVID-19の流行に伴い、予定されていた学会等がすべてオンライン開催となり、予定していた旅費を使用しなかった。次年度での学会報告、論文作成にかかる学会費、英文校正費、論文投稿料等において使用する予定である。
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