2021 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of regional medical cooperation system for appropriate use of outpatients oral antimicrobial agents
Project/Area Number |
19K19356
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
八木 祐助 高知大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (30717351)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 外来経口抗菌薬 / レボフロキサシン / 抗菌薬使用量 / AUD / 感染防止対策加算 / 薬剤費 / 抗菌薬適正使用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、キノロン系抗菌薬のレボフロキサシン(以下、LVFX)に着目し、プラットフォームで外来経口抗菌薬使用量(以下、AUD)の調査、解析を行った。プラットフォームは、高知県と協働で開発したVirtual Private Serverを利用した自動集計システムである。調査の同意を得た高知県の医療機関21施設を対象とした、抗菌薬適正使用推進のための手引き(以下、手引き)導入前の2020年度と導入後の2021年度におけるLVFX AUDは、2020年度で92.9±73.4、2021年度で83.5±66.1と減少したものの有意差は認めなかった。(Student’s t-test, p>0.05)またサブ解析結果において、感染対策防止加算1算定の5施設が2020年度で136.6±71.2、2021年度で82.2±45.7と減少し、感染防止対策加算2およびそれ以外の施設16施設が2020年度で82.6±72.5、2021年度で84.5±71.7と増加したが、いずれも有意差は認めなかった(Student’s t-test, p>0.05)。さらに、全施設における外来のLVFX薬剤費は、薬価ベースで2020年度が1,957,031円、2021年度が1,525,218円であり、431,813円の薬剤費の削減が可能であった。以上の結果より、高知県下医療機関でのLVFXの使用実態が明らかとなり、特に加算2とそれ以外の医療機関では、手引きの更なる活用と地域連携の強化によって、外来のLVFX使用量と薬剤費削減の可能性を示唆した。本研究では、調査内容として使用目的を不明確にできていないこと、対象施設や抗菌薬の種類が限局されていることが課題であり、今後、地域での外来経口抗菌薬の適正使用推進のために、調査対象施設や抗菌薬の系統を拡充し、使用量や薬剤費および使用目的を指標とした更なる検証が必要である。
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