2023 Fiscal Year Annual Research Report
身体症状症における自律神経機能、及びその関係に介在する交絡因子の検討
Project/Area Number |
19K19357
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
乙成 淳 九州大学, 医学研究院, 助教 (30770804)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 身体症状症 / 不定愁訴 |
Outline of Annual Research Achievements |
Medically Unexplained Symptoms (MUS) は医学的に十分な説明がつかない身体症状のことを指し、それを有する患者への身体、心理的な負担のみならず、医療者への負担、ひいては医療費の高騰の一因となり得る。また、アメリカ精神医学会の作成する精神疾患の診断基準であるDSM5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)では、原因の特定が難しい身体症状があり、それに関連する過剰な心配や行動が伴う場合、身体症状症の病名に該当するとしている。MUSに影響を与える要因としては自律神経機能はじめ、睡眠、抑うつ・不安などの心理的要因、あるいは性格などの背景因子が考えられるが、これらについて包括的に解析することを本研究の目的としている。研究の対象者はMUSを有して心療内科外来を受診する患者であり、対象者は外来受診時に、心拍変動に基づく自律神経機能の検査を受けると共に、睡眠や抑うつ・不安、性格などに関する質問紙への回答が案内された。それら複数の変数間の関係を集計し、統計的に解析を行った。本研究の成果が、効果的な治療法の開発、あるいは専門医-非専門医間の円滑な連携を促し、MUSを有する患者の負担軽減、また医療者や医療経済に対する圧迫軽減の一助になることを期待している。
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