2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K19360
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
早瀬 朋美 自治医科大学, 医学部, 助教 (50433587)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小児がん / 症状評価尺度 / QOL / Patient Reported Outcome / 緩和医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の目的】小児がんは強力な集学的治療でその治療成績は向上したが、患児の苦痛に十分配慮した治療には未だ至っていない。本研究では小児がん患者の苦痛を客観的に評価する手法を確立するために症状評価尺度であるMemorial symptom assessment scale(MSAS)の日本語版(J-MSAS)を開発し、その妥当性、信頼性を明らかにする。また開発したJ-MSASを用いて小児がん患者が実際に苦しんでいる症状頻度を明らかにすることで小児がん診療での緩和的治療介入についての知見を得る。 【2020年度研究実施計画】 2019年度終了しなかった統計解析を完了させ、結果を原版開発者Dr.Collinsに報告する。英語原著論文を作成し発表する。J-MSAS開発で得られたデータを解析し小児がん患者における苦痛についての詳細(全体における症状頻度、治療強度毎、疾患群毎、病期毎の症状頻度や特徴、身体症状及び精神症状で高頻度のもの)をpilot studyとして明らかにする。 【2020年度に実施した研究実績】 2019年度に引き続き統計解析ソフトSASを用いてデータの統計解析を実施した。解析結果からJ-MSASの構成概念妥当性、併存的妥当性、臨床的妥当性、信頼性を評価した。また小児がん患者における苦痛についての詳細(全体における症状頻度、治療強度毎、疾患群毎、病期毎の症状頻度や特徴など)の一部を解析結果から確認した。結果をweb開催された緩和・支持・心のケア合同学術大会2020で優良演題として発表した。2021年3月で予定していた統計解析を完了し、英語原著論文の草案を完成させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MSASが多面的評価尺度であるためデータの統計解析が研究開始前に予想したより煩雑となり時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
完了した統計解析結果を原版開発者Dr.Collinsへ報告する。解析結果から明らかとなったJ-MSASの妥当性、信頼性および本邦小児がん患者における苦痛の詳細の一部を示した英語原著論文を校正に提出し、投稿する。 当初予定していたインタビューワーを派遣してのJCCG参加施設及び日本緩和医療学会所属の小児緩和医療に携わる医師との共同研究体による症状頻度調査については新型コロナウイルス流行状況を鑑みて実行可能性を十分に検討する。
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Causes of Carryover |
【当該助成金が生じた理由】新型コロナウイルス流行のため出張旅費を使用しなかった。また統計解析の遅れから英語原著論文の完成が遅れたため英文校正、論文投稿費、open access feeなどの費用が生じなったことが理由と考えられる。 【使用計画】英語原著論文草案が完成したため英文校正、論文投稿費、open access feeは2021年度使用する。
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