反転評価を用いた医療プロフェッショナリズム教育プログラムの開発

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K19363
• Research Institution: Juntendo University
• Principal Investigator: 遠藤 周 順天堂大学, 医学部, 助教 (60772457)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: プロフェッショナリズム / 評価 / 反転授業 / 医療者教育

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的：プロフェッショナリズムは、医学生が身に着けるべき学修成果の中で最も重要な課題のひとつである。その重要性が認識されている一方で、教育の具体的実践には多くの問題が指摘されている。本研究は医学教育の現場において実践可能なプロフェッショナリズム教育プログラムの開発を目的とする。今回「反転評価」の手法を用いることで、プロフェッショナリズム教育における学習効果の向上を試みる。今年度の計画：【2】反転評価を用いた教育プログラムの実践・調査 期間：小児科クリニカルクラークシップ期間中 評価者：医学生。評価先行群と講義単独群に分けるが、評価先行群は反転評価プログラムに取り組んだのちに小講義を受け、講義単独群は小講義のみを受けることとする。 評価対象：指導医、研修医、開業医、パラメディカル、DVD（ショートムービー）。評価方法：Professionalism Mini-Evaluation Exercise（以下，P-MEX）を用いる。 評価内容：①「医師患者間関係能力」「省察能力」「時間管理能力」「医療者間関係能力」からなる4領域25項目のプロフェッショナリズムの評価を行う。②それぞれの対象者に対し、プロフェッショナリズムを感じた点と感じなかった点を理由とともに記載させる。のちに議論の場を設ける。 学生全員にプロフェッショナリズムの小講義を行う（教科書的内容）。今年度の成果：プロフェッショナリズム教育の実践に関し、医学教育専門家育成プログラム・研修会に参加し専門家の意見を聴取し、具体的なプログラムの策定・決定を行った。今年度はそれらをもちい、クリニカルクラークシップ中での実践予定であったが、COVID-19の影響を受け、研究対象となる学生の病棟行動制限があり、進行が遅延した。現況の継続が予想されるため、すべてオンライン上で実践可能となるよう計画の修正を行っている。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

今年度はプロフェッショナリズム教育の実践に関し、医学教育専門家育成プログラム・研修会に参加し専門家の意見を聴取し、具体的なプログラムの策定・決定を行った。今年度はそれらをもちい、クリニカルクラークシップ中での実践予定であったが、COVID-19の影響を受け、研究対象となる学生の病棟行動制限があり、進行が遅延した。具体的には学生が病棟実習への参加自粛期間があり、その間は計画が停止した。現在、実習は条件付き再開となったものの、学生の行動や病棟滞在時間等の制限がある状態である。

Strategy for Future Research Activity

今後も学生の病棟実習に関する制限の継続が予想されるため、計画の変更を行う。全ての研究内容がオンライン上で実践可能となるよう計画の修正を行っている。具体的には学生が評価する対象を、現場の「指導医」からシナリオベースの「場面」へと変更し、事前にその「場面」の動画作成を行うこととする。そして学生にその動画を閲覧させ評価させ、そのイベントの学習効果の評価を行うことする。学生に関するフォーカスインタビューも完全オンライン化することで、研究の完遂を目指す方針である。

Causes of Carryover

COVID-19関連で病棟での行動に制限がかかり、医療ショートムービーの撮影計画が遅延したことやフォーカスインタビューに使用する機材の使用が今年度は不要となった。また研究の中間報告を学会で報告予定であったが、これらの影響で中間報告が不可能であった。来年度に繰り越す計画である。