2023 Fiscal Year Annual Research Report
警察・救急データを活用した家庭内の不慮の事故に関する実態把握及び予防対策の確立
Project/Area Number |
19K19365
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
垣内 康宏 近畿大学, 医学部, 教授 (80611459)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 家庭内の不慮の事故 / 行政データ / セーフティプロモーション / 超高齢化社会 / 在宅医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は令和元年度から2年度までの2ヶ年計画であったが、コロナ禍の影響により3年延長し、今年度はその5年目であった。今年度は具体的には、国民生活基礎調査等の全国レベルの行政統計を再度入手し、家庭内の不慮の事故の危険因子をさらに精緻に分析することとした。令和5年9月に無事、国民生活基礎調査データ最新版の再提供を厚生労働省から受けた。5年目の令和5年度は、入手したデータの分析を集中的に進め、不慮の事故の中でも窒息死に焦点を当てて、英文誌に投稿、採択された。また、不慮の事故の一類型として、熱中症死や低体温症死が挙げられるが、そのうち屋内での低体温症死について、症例報告による学会発表を行った。なお、本年度で本研究自体は完了するが、その成果を地域自治体の健康福祉施策にフィードバックすべく、研究終了後も行政との連携も深めていく予定である。具体的には、大阪府健康医療部が実施している死因究明拠点モデル事業の大阪南部モデル地域に選定されたため、それらの行政事業との連携も深めていく中で、研究成果の社会的還元を進める予定である。また、コロナ禍の影響により、当初予定していたフィールドワーク等の実施は実質上不可能となったが、コロナ予防策の緩和に伴い、後続研究では、地域住民等に対する質問紙調査を行うなどして、死亡に至らなかった至らなかったいわゆる「ヒヤリ・ハット」症例等の調査も並行して行い、事故の危険因子をより詳細に把握するとともに、エビデンスに基づいた予防対策の確立にも貢献していきたい。
|