2021 Fiscal Year Research-status Report
複数の評価項目を用いる臨床試験における統計学的方法の開発
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19K19383
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
坂巻 顕太郎 横浜市立大学, データサイエンス推進センター, 特任准教授 (30644819)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多重比較 / 多重エンドポイント / 群逐次デザイン / 臨床試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,SARS-Cov2に対する治療効果の評価に用いる複数の評価項目の検討(Sakamaki et al., Trials, 2021),高カリウム血症に対する治療効果の評価に用いる経時測定データの利用方法に関する研究(Tsuchikawa and Sakamaki, Stat Biopharm Res, 2022)を行った.SARS-Cov2の治療に関する研究では,重症度,観察期間,臨床経過に関連する評価項目の特徴を,ClinicalTrials.govに登録されている計406の第III相ランダム化試験から分析し,重症患者を対象とした臨床試験での観察期間が長いこと,臨床経過によって異なる型の評価項目が用いられたこと,約25%の臨床試験で複数の主要評価項目が使用されたことを明らかにした.高カリウム血症の治療に関する研究では,治療中止を伴う維持療法を経時データを用いて評価する臨床試験における,中間事象と最終測定時点でのカリウム値という2つの情報に関して優先順位を付けた複合評価項目を提案し,レスポンダー分析や混合効果モデルなどの既存の分析手法を含めたestimandの定義と各手法の動作特性の評価を行った. 複数の生存時間アウトカム(評価項目)に関する多重性をBonferroni手順で調整し,中間解析に関する多重性は保守的となる方法に関する提案については,2020年度に実施したシミュレーション研究をもとに,開発した手法が機能する状況の探索や新たなデザインの開発を継続した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SARS-Cov2などの研究を行っており,複数の生存時間アウトカムに関する提案方法の研究がやや遅れている.本年度は提案方法が機能する設定の探索や新たなデザインの開発を完遂し,論文発表に繋げる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
SARS-Cov2や高カリウム血症の研究から得た知見の活用,シミュレーション用に購入したワークステーションの活用などにより,提案方法の研究における新たな設定の探索やデザインの開発を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症対策のため,2021年度は計上していた旅費を使用しなかったことが大きな理由である.差額は,2022年度の学会参加,論文投稿料などに使用する予定である.
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