2019 Fiscal Year Research-status Report
医療・介護レセプト,特定健診データベースの構築とこれを用いた臨床疫学研究
Project/Area Number |
19K19394
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
笹渕 裕介 自治医科大学, 医学部, 講師 (40782339)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 突合 / 医療レセプト / 介護レセプト / 特定健診 / 臨床疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の医療実態を把握し、疾病の増悪要因や個別医療を進めるには、診療報酬請求(レセプト)データ等の活用が重要である。日本は世界に先駆け超高齢化社会を迎えつつあり、医療と介護の連携が今後ますます重要になっていく。高齢者の慢性疾患の予後規定因子の分析には、地域において個々の患者の長期にわたる医療及び介護レセプトの縦断的データベースを構築する必要があるが、わが国では未だに成功していない。 本研究の目的は、①医療・介護レセプト及び特定健診データを突合し個人を追跡できるデータベースを作成すること、②このデータベースを用いて医療と介護の関係を明らかにすることである。本研究の成果を通して、地域における医療と介護の関わりを明らかにし、患者・医療者・行政の意思決定に資する研究成果を発信することが可能となる。さらに、本研究の成果は日本のすべての自治体へ拡張可能であり、高齢化社会における医療と介護に関する世界を牽引する研究を行う基盤となることが期待される。 当初の計画として2019年度は医療・介護・特定健診データの匿名化。匿名化したデータの取得、データベースの構築。熊本県以外の都道府県からのデータ提供を目指して地方自治体との交渉を行うことを予定していた。また、データベース構築完了次第以下のテーマを中心に分析を開始する予定であった。・集中治療に関連する診療行為・投与薬剤と長期的な医療・介護のアウトカムとの関連・糖尿病,慢性腎不全等の慢性疾患の介護必要度への影響・検診結果とその後の医療・介護の必要性との関連・医療資源の配分に資する資料として,地域の医療・介護の需要を明らかにする
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熊本県においてはデータ提供に関する同意形成に時間がかかっており、データ取得に至っていない。一方栃木県では18市町からデータ提供の同意を得て匿名化後のデータ取得に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度はデータベースからデータ抽出を容易にするためのシステム構築を行う。また同時にデータ分析を行っていく予定である。また、熊本県についても引き続きデータ取得へ向けて関係各所と調整を行っていく。
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Causes of Carryover |
データ取得に時間がかかり、データを保存・分析するための物品費が発生しなかったこと、学会発表等の旅費が発生しなかったことにより生じた。 データ取得自体は達成しており、2020年度には2019年度に予定していた物品の購入及び分析結果を発表するための旅費として使用する。
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