2021 Fiscal Year Research-status Report
医療施設キャパシティの定量化と空間的需給バランスの適正化に関する研究
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19K19397
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
三宅 貴之 駒沢女子大学, 人間総合学群, 講師 (10836729)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医療資源 / キャパシティ / 地域性 / 人口密度 / 地域医療 / 二次医療圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題における学術的問いは、「今後どういった地域でどんな種類のサービスがどれくらい必要になるのか、またそのためにはどれだけの人員や施設が必要となるのか」である。全体計画的な医療提供体制の整備手法(例えば、10万人当たり医師数、二次医療圏を単位とした整備方針)とは異なる、地域の実情に即した医療サービスの供給方法を検討するものであり、今後の地域医療の在り方を検討するための判断材料となる指標を示すことが目的である。そのために、1)医療施設のキャパシティの定量化、2)医療資源配分の空間的需給バランスの把握、3)地域特性を加味した将来的な医療サービスの必要量の算出、という3つの小課題を設定した。 本年度は目的2)医療資源配分の空間的需給バランスの把握に関連して、診療科目別の医療資源の配分と地域性との関係を分析した。地域性を示す指標として人口密度を採用した。目的1)において算出した医療施設キャパシティの総量と二次医療圏ごとの推計患者数からキャパシティの充足率を算出し地域性との相関関係を分析した。 結果として、いずれの診療科目においても人口密度の低い医療圏でキャパシティ充足率が大きくばらつくことが分かった。地域の都市性とキャパシティ充足率との強い関係はみられなかったものの、同じ診療科目であっても二次医療圏によって医療サービスの充足率が大きく異なり、提供量に地域差が生じていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データの取得が順調に進み、分析方法を確立できたが、データ量が膨大であり計算に想定よりも時間がかかっている。計算時間を短縮できる方法の再検討が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
将来的推計人口をもとに、医療資源の将来必要量を算出し今後の医療体制整備に向けた地域的な課題を抽出する。
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Causes of Carryover |
当該年度は新型コロナウィルス感染症の影響で旅費の使用が少なかった。次年度使用額については、研究協力者との複数回の研究うちあわせ、研究データの分析・整理に要する人件費、消耗品代、国内学会での研究発表等のための国内旅費、として使用する予定である。
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