2019 Fiscal Year Research-status Report
ALS患者組織でのRNA結合タンパク質メチル化修飾とストレス防御機構の検証研究
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19K19410
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ALS / RNA結合タンパク質 / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性の神経変性疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位および下位運動ニューロンが選択的に進行性の細胞死に陥る生命予後不良の神経変性疾患であり、病因は不明であるが、RNA代謝制御機能を持つ蛋白の機能異常がALS発症にかかわる可能性が浮上してきている。ALSの発症原因因子と考えられているRNA結合タンパクの調節に影響を与えるPRMT1遺伝子選択的スプライス発現異常並びにRNAをALSと診断された患者において確認を行うことは重要であり、この変異の傾向に基づいて、ALSの発症原因に対する治療法を見出す可能性もあることから非常に有用であると考えられる。これらのメカニズムを明らかにするためには、ALS患者の剖検組織、髄液および血清を用いた詳細な検討が必要と考えられる。そのため、これらを用いて、ALSに関連する遺伝子選択的スプライス異常の検出、傾向を分子生物学的手法を使用して評価するための技術開発を行った。
平成31年度に実施した研究内容として、以下の研究を実施し一部完了した。 ①遺伝子改変技術を利用したRNA精製方法の開発、②CRISPR/Cas9およびそれに類似した遺伝子標的技術を用いたRNA遺伝子標的条件の検討、③CRISPR/Cas技術を用いてのRNA標的制度の確認。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRISPR/Cas技術を利用したRNA標的技術の開発を行い。同技術を使用するにあたっての有効条件を検討した。 結果、標的とするRNA側の高次構造解析が重要であることを明らかにした。 以上の結果を研究業績として論文投稿を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
ALSにおけるRNA代謝異常の解明に向けて、RNA標的技術を利用してのRNA周囲因子探索研究を続ける。 今後の目標として、以下の研究項目を実施する。 ①RNA周囲因子の精製(クロマチン免疫沈降) ②RNA精製技術の精度評価試験 ③ALS検体におけるRNA周囲環境評価試験
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Causes of Carryover |
本研究代表者の所属していた研究室長の退官に伴い、令和2年4月に研究室の移籍を行った。その過程で、予定していた研究内容の継続的な実施が困難であったため余剰金が発生した。令和2年4月より、川崎医科大学衛生学教室に移籍を完了した。 当研究室の研究環境は全所属機関と遜色なく、当研究計画を完遂するに十分な人的、質的サポート力を有している。 令和2年度での実施計画として、RNA解析ツールに使用するRNA合成および、DNA合成を実施する。 また、NGSデータ解析の実施により、計上された予算を使用する見込みである。
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