2020 Fiscal Year Research-status Report
レジスチンの大規模エピゲノムワイドメタ解析による生活習慣病の発症機構解明
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19K19434
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中杤 昌弘 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (10559983)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エピゲノム / レジスチン / バイオインフォマティクス / DNAメチル化 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、国内外のコホートを基にゲノムワイドDNAメチル化情報を基に大規模エピゲノムワイドメタ解析を実施して、DNAメチル化が血中レジスチン濃度を介して生活習慣病の発症に如何なる影響を与えるのか調査・解明を行う。 昨年度は、我々が保有するコホート研究301例と公開されている海外のデータ732例の計1033例でレジスチンのエピゲノムワイド関連研究のメタ解析を実施した。今年度は、本メタ解析に利用可能な国内外のデータの拡充を図った。結果、これまでの分とあわせて日本人607例、海外のデータ1676例の合計2283例まで拡充できた。このデータを用いた予備解析の結果、既知のDNAメチル化サイトに加え、P<1×10の-7乗を満たしたDNAメチル化サイトを3カ所確認した。この中には昨年新たに同定したDNAメチル化サイトも含まれていた。その一方で、これまで報告されていなかった領域においても有意な関連が確認された。 本研究はメタ解析を主解析としており、メタ解析に用いる個々のデータの前処理条件・解析条件の検討が重要である。今後は、これまでに検討していない前処理条件・解析条件の検討を行い、先に同定したDNAメチル化サイトの再現性を確認する。また、更なるレジスチン関連DNAメチル化サイトを探索する。 レジスチンは腎機能やメタボリックシンドローム等の生活習慣病との関連が知られている。今後はこれらの生活習慣病関連マーカーにも焦点をあて、レジスチン、DNAメチル化、ゲノムデータとの統合解析も進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、メタ解析に用いるサンプルサイズの拡充に努めた。結果、当初の想定をはるかに超える2000例以上のサンプル数に拡充できた。これにより、より高精度な解析結果を得られると期待できる。一方、本研究に利用可能なデータが当初の想定より多く存在していたこと、データ毎に前処理条件の検討が必要だったことから、データの利用条件検討に多くの時間を要したため、当初の計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までで集積された個々のデータの前処理条件・解析条件を更に検討し、より高精度な分析を進める。また、先に同定したDNAメチル化サイトについて前処理条件・解析条件を変更しても結果が変わらないか結果の頑健性を検証する。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせの出張と学会参加を予定していたが、COVID-19の影響で出張を見送ることになったため。主解析であるメタ解析について当初の想定よりも検討条件が増え、DNAメチル化データの追加測定へ至らなかったため。 既に取得したデータの解析条件が検討でき次第、DNAメチル化データの更なる拡充を進める。
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Research Products
(1 results)