2019 Fiscal Year Research-status Report
総合健診における検査値の有意な変化量推定の新しいアプローチとその有用性の評価
Project/Area Number |
19K19436
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川野 伶緒 広島大学, 病院(医), 講師 (00744210)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | Reference change value / 個体内変動 / RCV / 健診データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床検査値の変化の有意性の客観的判断には、個人の繰り返し測定の結果から推定される個体内変動幅に基づいて設定される基準変化値 (reference change value: RCV)を利用することが国際的に推奨されている。しかし、この概念そのものは古くから存在するが、いくつかの問題点により、臨床ではあまり利用されていないのが現状である。 そこで本研究では、臨床的に意義のある変動なのか、それとも自然な変動なのかを客観的に判断できる新たな指標を健診データベースから推定し、臨床に応用できるかを検証する。本研究は、匿名化された既存情報を用いる後向き調査研究として実施する。分析対象とする検査項目は、収縮期血圧、拡張期血圧、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロール、AST、ALT、GGT、総ビリルビン、ALP、総蛋白、アルブミン、血糖、HbA1c、eGFR、尿酸、白血球、ヘモグロビン、血小板を予定している。 2019年は本研究の実施計画等について立案し、倫理審査委員会に申請して研究実施の承認を受けた。その後、匿名化された健診データベースを入手した。健診データベースには、食生活や行動変容など個体内変動の推定には適さない者が多く含まれているため、適切なクレンジング作業および抽出条件の設定が求められる。そのため、研究用ワークステーションにてSQLデータベース環境を構築した。現在、入手した健診データベースの統合・クレンジング作業および抽出条件のためのプログラム作成を実施している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SQLデータベース環境構築および数値シミュレーション実行のための研究用ワークステーションの入手が計画よりも遅れたことに伴い、主要な解析作業に取りかかれていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
健診データベースの統合・クレンジング作業が完了次第、個体内変動の推定に影響する要因(例えば性差、年齢差等)の探索的な検討等の基礎的な検討を行う。その後、クレンジング作業後の健診データベースから、個体内変動の推定に影響する要因に考慮した検査値レベル別の個体内変動の推定およびRCVを設定する。 次に当該データベースを使用した数値シミュレーションにより検査値レベル別RCVの妥当性と有用性の検討を行う。
|
Causes of Carryover |
SQLデータベース環境構築および数値シミュレーション実行のための研究用ワークステーションの入手が予定よりも遅れたことに伴い、それに必要な周辺機器等の購入を次年度に変更したため次年度使用額が生じた。次年度使用額については当該周辺機器等の購入に充てる予定である。
|