2021 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住高齢者を対象とした社会経済的地位別の身体活動・座位行動の関連要因の検討
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19K19443
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
根本 裕太 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40838166)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会経済的地位 / 教育年数 / 暮らし向き / 高齢者 / 身体活動 / 座位行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域在住の自立高齢者を対象に、SES層ごとの身体活動、座位行動の特性(関連要因)を明らかにし、プログラム開発に必要な情報を得ることを目的とした。そのために、従来の量的研究に加えて質的研究を組み合わせた混合研究法を用いて詳細な検討を行った。研究1として、東京都府中市と埼玉県和光市の65歳以上の高齢者を対象に郵送調査(量的データ)を実施し、身体活動量と座位時間の関連要因をSES別に検討した。研究2ではインタビュー調査、研究3では研究1の対象者に対して追跡調査を実施する計画であったが、新型コロナウイルス感染症拡大により、実施することができなかった。そこで、山梨県都留市の高齢者を対象とした郵送調査およびインタビュー調査を実施し、新型コロナウイルス感染症拡大による身体活動への影響とその関連要因をSESごとに検討した。 本研究により、低SESの高齢者の方が身体活動量は少なく座位時間は長いことが示唆された。また、コロナ禍における身体活動量は、全体としてわずかに増加しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により身体活動量が減少するという傾向はみられなかった。 身体活動の関連要因においては、SESに関係なく健康状態が良好な者ほど身体活動不足者が少ない傾向がみられた。しかし、社会的孤立をしている者ほど身体活動不足者が多い傾向は低SES層でのみみられ、就労に関しては異なる方向の関連性がみられた。すなわち、低SES層では就労者ほど身体活動不足者が少なかったのに対し、高SES層では就労していない者ほど身体活動不足者が少なかった。座位時間過多の関連要因においても、高SES層では関連要因がみられなかったのに対し、低SES層では社会的信頼感が低い者や非就労者で座位時間過多の者の割合が高いことがみられ、これらの要因は低SES層への影響が大きい可能性が示唆された。
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Research Products
(12 results)