2019 Fiscal Year Research-status Report
一般住民における血中PCSK9濃度測定は心血管イベントの予知因子となるか
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19K19447
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
濱村 仁士 久留米大学, 医学部, 助教 (00811085)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PCSK-9 / Lipoprotein(a) |
Outline of Annual Research Achievements |
心疾患は日本人の死因で悪性新生物についで2番目に多く、その中には虚血性心疾患も多く含まれている。虚血性心疾患を含む動脈硬化疾患の予防は心疾患による死亡や、近年増加傾向にある心不全を減少させることができると考えられる。 数年前に本邦でも発売されたPCSK-9阻害薬は著明にLDL-Cを低下させる効果があり、近年家族性高コレステロール血症の治療や、虚血性心疾患の予防として臨床でも使わている。しかしPCSK-9の生理的役割については未だ解明されていないことも多い。さらに現在PCSK-9濃度を測定することは可能であるが、PCSK-9値が臨床的にどのような意味を持つのかはわかっておらず臨床応用されていない。そこで我々は「一般住民における血中PCSK-9濃度測定は心血管イベントの予知因子となるか」をテーマに研究を行いPCSK-9の生理的役割および、動脈効果との関連の解明の一助となり動脈硬化疾患の予防の幅が広がる可能性があると考えた。またその一環で動脈硬化との関連があることは知られているが、今までほとんど臨床応用されていないLipoprotein(a)がPCSK-9阻害薬の使用により低下するとの報告があり、一般住民のPCSK-9濃度と、Lipoprotein(a)濃度との関連についても調べることとした。 当研究室で毎年行っている長崎県佐世保市宇久町での一般住民を対象とした宇久町検診(2017-2019年)の結果を用いて解析を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに行われた2017-2019年の宇久町検診の結果を用いて分析を行っており概ね結果は得られている。現在は論文化に着手しており、雑誌への投稿を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在得られた結果を基に論文化を目指して雑誌へ投稿中であるが、まだ正式な採用には至っていない。引き続き論文化に向けて調整中である。 加えて今後は学会等での発表も行っていく。
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Causes of Carryover |
初年度はPCSK9及びLipoprotain(a)の検査費でほとんど消費したが、検診に関わる機器は以前の物品から使い回しが可能であったこと。 新型コロナウイルスの影響で参加予定であった学会が延期または中止となったため
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