2019 Fiscal Year Research-status Report
Estimation of the duration between the onset and the diagnosis of type 2 diabetes; health policy consideration aiming for shortening the duration
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19K19451
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
杉山 雄大 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (20725668)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 疫学 / 医療政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦の疾患レジストリと、レセプト情報・特定健診情報等のデータを解析して、近年の「2型糖尿病診断時点における網膜症の有病率」や「2型糖尿病診断からの期間」ごとの網膜症の累積罹患率を推定し、それらの値を用いて本邦における平均的な「2型糖尿病発症から診断までの期間」を推定すること、期間の予測因子について調べることが、本研究の最も重要な部分である。 疾患レジストリについては、J-DREAMSのデータを使用して、糖尿病の診断時期と、眼科受診時の網膜症の所見を用いて、糖尿病の診断からの経過時間と網膜症発症の関連を、糖尿病の診断契機別に調べた。診断の契機に関しては、健診、糖尿病の症状、他疾患の診断の3つの選択肢から選択されていた。結果として、約16,000名のうち、10年以内にイベントが発生したのは約12%であった。累積発症率が5%になるのは、健診を契機に糖尿病診断に至った群で約5年、糖尿病の症状を契機に至った群で約3年、他の疾患での受診を契機に至った群で約2年であった。データ未入力の部分が多く、これから入力を励行する予定があるため、本研究の部分は少し時間をおいてから更新分のデータも含めた解析を行うこととする。 レセプトを用いた研究については、JMDC Claims Databaseを用いて2つの解析を行った。まずはじめに、新規処方患者、既存処方患者に分けて、処方のフォロー開始日から網膜症、足切断の罹患率を算出した。こちらの解析は論文投稿中である。次に、前の研究より細かくコホートを類型化して、初回処方より前に検査・検診がなかった群と、定期検診の中で糖尿病の発症を検出した群の2群を抽出し、網膜症発症の差を調べたところ、網膜症累積発症率に差を認めた(10年で9% vs. 1%)。本研究結果は国際学会で発表し、論文準備中である。後者の研究結果を外挿して、発症から診断までの期間推定につなげていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文1報を投稿中、1報を国際学会(国際糖尿病連合、IDF、2019/12 釜山)で発表済み、論文準備中であり、学術成果としては捗々しいと考えている。 J-DREAMSについては、データ欠損が予想以上に多く、現時点で論文化を進めることは適当ではないと考えたため、論文化を一旦中断したが、入力を今後励行した上で、本研究期間中に論文化するように進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
J-DREAMSについては、データ欠損が予想以上に多く、現時点で論文化を進めることは適当ではないと考えたため、論文化を一旦中断したが、入力を今後励行した上で、本研究期間中に論文化するように勧めていく。 JMDC Claims Databaseの解析について、投稿中の論文の論文化を進めるとともに、学会発表した内容についての論文化を進める。複数の疫学研究者とも情報交換をしながら、適切な統計解析を用いて、精緻な解析を行なっていく。 加えて、得られた解析を用いて「2型糖尿病発症から診断までの期間」を推定し、それを予測する因子について検討する。さらに、介入可能な変数について介入した場合の抑制効果をシミュレーションを用いて推定する解析につなげていく。
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Causes of Carryover |
今年度の残額と、次年度の予算(必要に応じて次次年度分を前倒し使用することも検討)を合わせて、追加データを準備し、より詳細な解析に耐えられるようにすることを検討している。
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Research Products
(1 results)