2022 Fiscal Year Research-status Report
がん診療連携拠点病院制度が医療の均てん化に与えた影響を評価する実証研究
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19K19452
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
大川 純代 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, 上級研究員 (50747673)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん登録 / がん診療連携拠点病院 / 診療実績 / 手術 / ホスピタルボリューム / 生存率 / 医療の均てん化 / 医療の集約化 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん診療連携拠点病院(以下、拠点病院)制度は、拠点病院を中心とした患者の集約化と、がん医療の均てん化を目指している。これまで、大阪府下でがん診療を行っている全ての病院を対象に治療件数や拠点病院区分と生存率の関連性を分析した。次に、拠点病院のみを対象とし、各病院で行われた全てのがんに対する手術件数と3年生存率の関連性をもとに最低満たすべき手術件数を推定した。今年度は、同じ手法を用いて、大阪で罹患数の多いがん(胃、大腸、肺、乳房)とハイリスクな治療を要するがん(食道、膵臓)の手術件数と5年生存率の関連性をもとに、拠点病院が最低満たすべき部位別年間手術件数を推定した。その結果、最低必要な手術件数は食道がん35-39件、胃がん20-25件、大腸がん25-29件、膵臓がん10-14件、肺がん10-14件、乳がん25-29件であると推定された。望ましい生存率を得るために拠点病院が年間に実施すべき手術件数はがんの部位によって異なっていた。また、国内外ですでに運用されているがんの部位別最低手術件数と類似しているものもあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従い、4本目の論文を出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ホスピタルボリュームは、医療の質を反映する指標といわれている。今後は医療の質とホスピタルボリュームの関連性についてさらに研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により海外渡航が制限されていたため、学会で研究成果を発表することを断念しため。また、2022年4月から11月末まで出産育児のため研究活動を休止していたため。次年度は、学会参加費、英文校正費、論文掲載費の支払いに研究費を使用する予定。
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