2020 Fiscal Year Research-status Report
Pre- and postnatal exposure to phthalates and child growth
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19K19453
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
湊屋 街子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (50733367)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フタル酸エステル類 |
Outline of Annual Research Achievements |
母の妊娠初期の血液検体を用いて、フタル酸エステル類代謝物8種類類(①モノノルマルブチルフタル酸(MnBP) ②モノイソブチルフタル酸(MiBP) ③ モノエチルヘキシルフタル酸(MEHP) ④モノエチルヒドロキシヘキシルフタル(MEHHP) ⑤ モノベンジルフタル酸(MBzP) ⑥モノエチルカルボキシペンチルフタル酸(MECPP) ⑦モノイ ソノニルフタル酸(cx-MiNP))⑧総cx-MiNPの濃度分析を実施し、胎児期のフタル酸エステル類ばく露の実態を明らかにした。対面調査(身体計測、質問票による食事や運動、睡眠などに関する子どもの生活習慣の情報)を実施し、情報の収集を行った。これまでに、260名の子ども(年齢は5歳~16歳)について、データの収集が完了した。特に今年度は、体力の新たな指標として、握力の計測結果も収集した。 フタル酸エステル類へのばく露と、身体計測で得られたデータ(身長、体重、BMI、血圧、体脂肪率、皮下脂肪厚)の関連について、母が妊娠中に回答したベースラインデータ(社会経済状況、教育歴、栄養状態、 飲酒、喫煙など)に加えて、出生コーホートで実施をしている質問票を用いた前向き追跡調査 (4か月、1歳、2歳、4歳、7歳)のデータ(健診の記録など)も活用し、フタル酸エステル類の濃度と関連する因子についても検討を行った。 また研究を推進するにあたり、フタル酸エステル類ばく露と子どもの健康に関する先行研究や知見をまとめたレビュー論文を投稿、受理に至った。知見を整理したことで、この分野における研究に必要な課題等が明らかとなり、次年度以降の研究計画の立案、研究の推進につながる成果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
母の妊娠中の血液を用いた、フタル酸エステル類代謝物の濃度分析について、予定していた数の分析を行うことができた。また、フタル酸エステル類ばく露による、健康影響について、先行研究等をまとめたレビュー論文をまとめ、学術誌に受理されたことで、次年度以降の研究継続に必要な情報や知見をまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
フタル酸エステル類のばく露実態とその健康影響、特に子どもの発育や肥満の関係性について検討を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由としては、2020年度は新型コロナウイルス感染対策他のため、全国的に緊急事態宣言が発令され、対象者の居住地域でも自治体から外出自粛要請等があり、対面調査が実施ができず、計画していた予算が支出されなかった。 2021年度も引き続き調査を進めるが、対面調査が難しい場合は、郵送法の調査により身長や体格などのデータを収集する。また、血中バイオマーカーの測定なども検討している。
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Research Products
(4 results)