2022 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中発症リスク要因としての長期避難生活が及ぼす影響に関する疫学研究
Project/Area Number |
19K19463
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中野 裕紀 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (10736721)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発症登録 / 循環器疾患 / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ(感染症病床)の確保のため、採録に用いる電子カルテ端末の利用を制限する医療機関があり、1医療機関を1人で採録する等、採録に要する時間が長くなる傾向にあった。対応として、医療機関から退院時サマリの電子データを提供を受け、医大内で仮採録を行うことで、現地での採録時間の短縮を図った。しかしながら中通りの2医療機関において採録を完了することができなかった。2013年遡り調査による登録件数は5350件、2018年の登録件数は5716件と6.4%増加した(2医療機関は件数に含めない)。2013年と2018年の方部別登録件数の比較では、中通りにおいては2013年が3099件、2018年が3284件であった。同様に浜通りでは1264件と1496件、会津では987件、936件であった。方部別の脳梗塞の比較では、中通りが2154件と2364件で8.9%増、浜通りが885件と1029件で14.0%増、会津が676件と705件で4.1%といずれの方部でも増加していた。方部別の脳内出血については、中通りが709件と688件で3.1%減、浜通りが284件と350件で18.9%増、会津が249件と185件で34.6%減であった。2018年の方部別の中通り、会津ではいずれも年齢調整発症率では、脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血のいずれも2013年と比較して低下していたが、浜通りについては、いずれも上昇していた。病型については2013年は医師による登録判定済データ、2018年は医療機関の退院時診断結果を用いた暫定値であることから、2018年についても医師による登録判定を完了させ、2医療機関の採録データを補完した上での集計と解析をすすめたい。
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