2019 Fiscal Year Research-status Report
自然環境と急性大動脈解離発症との関連性:全国循環器専門施設データを用いた疫学研究
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19K19470
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
加藤 活人 日本医科大学, 医学部, 講師 (40409157)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 急性大動脈解離 / 自然環境 / 気温 / 循環器疾患診療実態調査 / 疫学研究 / 時間生物学的研究 / 発症日 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は自然環境の各因子と急性大動脈解離の発症との関連性について循環器診療実態調査(JROAD-DPC)データベースを用い検討することである。 本年度はJROAD-DPCデータ解析施設である大阪府吹田市の国立循環器病研究センターへ出向き、センターの研究員の先生方と解析法についてのディスカッションを繰り返し、それに基づきデータ解析を進めた。 まず初めのサブテーマとして急性大動脈解離の発症日の季節、月、曜日における発症頻度、院内死亡についての解析を行った。全国循環器専門施設の2012年から2015年で33,706人の急性大動脈解離の入院患者を対象とした。急性大動脈解離の発症(入院)は過去の調査と同様に冬期に多い傾向であることが認められた。また、スタンフォード分類のA型急性大動脈解離は平日に比べ、日曜入院で院内死亡のオッズが有意に高いことが認められた(オッズ比1.26,95%信頼区間1.06-1.48)。一方スタンフォード分類のB型急性大動脈解離では平日に比べ日曜入院で院内死亡のオッズ上昇は認められなかった(オッズ比0.67, 95%信頼区間0.42-1.07)。これらの結果を2020年欧州心臓病学会へ演題を登録した。また、現在論文を執筆中である。 急性大動脈解離を初めとする循環器疾患の最新の知見を学ぶため2019年8月31日から9月4日までフランスのパリで開催された欧州心臓病学会へ参加した。 今後は本研究メインの解析である気温・湿度・大気圧・大気汚染物質と急性大動脈解離発症の関連について解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス流行の影響でデータ解析施設である大阪府吹田市の国立循環器病研究センターへの出向ができていないため、データ解析の予定が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のメインテーマである自然環境(気温、気圧、大気汚染物質)と急性大動脈解離の発症についての解析を行う。
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Causes of Carryover |
日本循環器学会への循環器診療実態調査DPC情報利用費支払いが2020年度へ延期となったため、また2020年3月にデータ解析のため大阪府吹田市へ、日本循環器学会総会のため京都へ出張予定であったが、新型コロナウイルス感染症のためそれぞれ出張が延期となったため、旅費としての助成金使用が次年度となった。 2020年度に循環器診療実態調査DPC情報利用費支払い予定である。 また、大阪等への出張が可能となれば旅費を使用予定である。
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