2019 Fiscal Year Research-status Report
血中アミノ酸組成及びアミノ酸摂取量が糖代謝障害の進展に及ぼす影響に関する疫学研究
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19K19474
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
陳 三妹 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (70808659)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 疫学 / アミノ酸 / 糖代謝障害 / 前向きコホート研究 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病の発症には、インスリン抵抗性やインスリン分泌低下といった早期の糖代謝障害が重要な役割を果たすことから、糖代謝障害の進展に関わる因子の同定が求められている。アミノ酸はタンパク質を構成する物質であるとともに、それ自体が生理活性を有し、糖代謝にも関連することが指摘されている。本研究課題では、職域前向きコホート研究(古河栄養健康調査)の成績を用いて糖代謝障害(前糖尿病・インスリン抵抗性・インスリン分泌能の増悪)の進展に関連するアミノ酸(血中アミノ酸および食事アミノ酸摂取量)を特定することを目的とした。はじめに古河栄養健康調査の2015-2016年に定期健診を受診した者のうち、糖尿病がなく30-64歳で血清検体を提供した勤労者約1,800名を前向きに追跡し、糖代謝障害を有する者と正常耐糖能者とで、アミノ酸の血中濃度と食事摂取量を比較することで糖代謝障害によるアミノ酸代謝への影響性について解析を行う予定である。つぎに、対象者を2018-2019年度まで追跡し、ベースライン時点のアミノ酸組成が糖代謝障害(前糖尿病、インスリン抵抗性・分泌能の増悪)の進展に及ぼす影響について検討する。 2019年度は、古河栄養健康調査(2015-2016年度)で収集した血清サンプルを利用し、当時の血清中のアミノ酸分画を専門検査機関に依頼して測定を行い、解析のためのデータの整備を行った。さらに対象者の定期健診の匿名化したデータを受け取り、質問紙調査結果ならびにその他の共変量を含む解析用ベースラインデータベースの作成が完了した。また、2018-2019年度までの追跡調査が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた2015-2016年度の血清中のアミノ酸分画の測定が一年間をかけて順調に完了した。前向き研究のベースラインデータを整備した。2018-2019年度の追跡調査も当初予定していた通りに完了した。また、国立国際医療研究センター臨床研究センター疫学・予防研究部の研究員らと研究成果を論文化について打ち合わせを行い、古河栄養健康調査のコホートにおける一般的な進捗状況について情報収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度からは、ベースライン時点(2015-2016年)の血清中のアミノ酸分画のデータとベースラインデータベースを結合し、血中アミノ酸組成とインスリン抵抗性・インスリン分泌能との関連について解析を行う予定である。解析結果については疫学専門家と糖尿病内科医を含む共著者らと討議する。また、2018-2019年度の追跡調査のデータ整備を行う予定であり、ベースライン時点のアミノ酸の血中濃度が、3年後の糖代謝障害進展(前糖尿病発症、インスリン抵抗性・インスリン分泌能の増悪)に与える影響について解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
論文が年度末に受理され、論文掲載料の支払い時期がずれたため次年度はじめに支払いを予定している。その他の請求分については当初の計画通り執行する予定である。
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Research Products
(11 results)