2021 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルPCRによるmtDNAのハプログループ分類と混合度の定量評価
Project/Area Number |
19K19478
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 司 東北大学, 医学系研究科, 技術一般職員 (90712266)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 混合試料 / ミトコンドリアDNA / ハプログループ / デジタルPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では法医学で問題となる複数人のDNAが混ざった所謂「混合試料」に対する新たな解析法として、ミトコンドリアDNA(mtDNA)のハプログループを指標としたデジタルPCR(dPCR)による検査システムの構築を試みた。 日本人集団におけるmtDNAハプログループ頻度に基づき、18箇所(M、M7、M8、M9、M10、G、D、D4*、D4a、D4b、D4e、D5、N、N9、Y、A、F、B)の一塩基多型 (Single Nucleotide Polymorphism ; SNP)または塩基欠損部位を標的と定め、前年度までに全箇所に対してdPCRによる型判定が可能な反応系を構築した。 今年度は実際のヒト血液由来の試料を適用し、18箇所全てにおいて型判定が可能であることを確認した後、実験的に作製した混合試料を適用し、本システムにおいて混合比が算出可能であるか検討した。 検討では野生型及び変異型の合成DNAを用いて比率の異なる混合試料(100:0,80:20,60:40,40:60,20:80,0:100)を作製すると共に実際のヒト由来の試料のうち、ハプログループM7とYに分類された2試料を用いて同様に混合試料を作製して適用した。結果として、いずれの検査箇所においても作製した混合比と近い値が算出される一方、混合比がどちらかに大きく偏った際に微量成分と非特異的シグナルとの判別が困難になることが示された。 今後、混合比の検出限界について検討することが必要であるが、混合試料に対し本システムを適用することで、異なるハプログループのmtDNAがどの程度混合しているか算出できる可能性があることを本研究で示すことができた。
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